服全般の品質の見分け方はTシャツと同じです
服の品質を見分けるには衿が傾むいているかどうかを見るのが一番です 。縫製するときに下が送り歯、上が押さえなので、下の生地を送り、上の生地を押すように縫うので、その時にミシンが押すのをそのままにしていると片方の衿先が下に巻き込んで、もう片方の衿先が上に跳ね上がります。何もせずに縫うとだいたいこんな傾向になるものなのですが・・・・・・。この動画のようにならないように縫うのが工場の技術です。衿が傾くのは、ミシンの構造上なってしまう現象をそのまま作ってしまうからです。技術が高ければ、そのようなミシンの構造上なってしまうことに逆らって、左右対称の衿に仕上げることができるのです。時には、押さえの抵抗を減らすためにテフロンを貼り付けたり、送り歯の手前にサンドペーパーを貼って、下の生地が送られ過ぎないようにしたりもします。
縫製される衣料品はプレス加工のように上から型抜きするように加工するのとは違い、かならず、右から左、あるいは左から右へと縫製されます。裁断も同様に生地を重ねて、右から左、あるいは左から右へと裁断されます。多くの生地を重ねることで、上と下の裁断ズレも起こります。また、先に述べたように縫製でも、ミシンの構造上、下の生地が送られ、上の生地が押されるので、必ずズレが生じます。このようなズレが大きい程、縫製の技術が低いと考えることができます。服の品質を見分ける際には、その服が左右対称になっているかを確認して、左右のズレが大きい商品の購入は避けるようにしましょう。
左右のズレがあると言う事は、設計とは違う商品になっていると言う事です。設計がどれだけ良くても、設計に忠実に作られていない商品は良い商品とは言えません。
材料品質も設計品質も良かったとしても、製造品質が悪ければ商品は台無しになります。最高級の食材と最高のレシピがあっても料理人が素人であれば、食材の良さを引き出すような料理にはなりません。材料品質が良く、設計も良くても、施工する大工が下手だと家が傾くかも知れません。材料や設計がどけだけ良くても、作り手が悪いと全てを台無しにしてしまうのです。
アクリルの板に溝を彫って、それに沿って縫製することもあります。そういう方法だと表衿と裏衿の合わせ縫いは傾きません。それでも、ステッチが下手だと傾くことがありますが傾きは僅かに抑えることが出来ます。