アパレルの自社ブランド立ち上げに必要な準備や流れを解説

「アパレルの自社ブランドを新たに立ち上げたい!けれど、そのためには何をしたらよいのか分からない…」といったお悩みはありませんか?

最近では、アパレルメーカーなどの法人に限らず、インフルエンサーや個人でもブランドを立ち上げる人が増えています。しかし、ファッションや洋服が好きというだけでは、自社ブランドの立ち上げや運営に関する知識や経験がないため、何から始めれば良いのか不安になることも多いでしょう。

そこで今回の記事では、アパレルの自社ブランドを立ち上げたいと考えている皆さんに向け、必要な準備や流れ、立ち上げにかかる費用について詳しく解説します。ブランドのコンセプト作りから実店舗やネットショップの出店、商品プロモーションまで、段階ごとに具体的なポイントを押さえていますので、初めての方でも安心して進められる内容です。

ぜひ最後までご覧いただき、今後のブランド立ち上げの参考にしていただければと思います。

アパレルの自社ブランド立ち上げに向けて必要なこと

未経験から自社ブランドを立ち上げたい場合、まずはアパレル業界で実際に働いて経験を積むことが大変役立ちます。現場で商品仕入れや商品開発、運営方法などのノウハウを習得できるため、ビジネスの基礎をしっかりと身につけることができます。

また、服飾の専門学校に通い、ファッションビジネスやデザイン、製図、スタイリングといった専門知識を基礎から学ぶことも効果的です。さらに、学校での学びを通じて業界内の人脈を構築しておくことも、将来の大きな強みになるでしょう。

もし経営やマネジメントのスキルに自信がない場合、その分野に強いパートナーを見つけ、一緒にブランドを立ち上げるという選択肢もあります。自分一人ですべてをこなす必要はなく、強みを持つ人と協力することで成功の可能性を広げることができます。

とはいえ、専門的な経験や学びが必須というわけではありません。独学で必要な知識を学び、計画的に起業の準備を進めれば、自社ブランドを立ち上げることは十分可能です。

最も重要なことは、ファッションに対する情熱と、ファッションビジネスに挑戦する強い意志です。この気持ちがあれば、どのような道を選んでも成功に向けて前進できます。

アパレルの出店方法の種類

自社ブランドを立ち上げる際、どのような形態で出店・販売するかは重要なポイントです。ここでは、代表的な販売方法を紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。自分のビジネスモデルに最適なスタイルを見つけてください。

実店舗

実店舗を構えることで、お客様が商品を直接手に取って確認できるため、信頼感の向上や顧客との対話が可能になります。特に高品質な商品やこだわりのあるデザインの場合、実物を見てもらうことで販売のチャンスが広がるでしょう。

しかし、物件のテナント料や内装費など、実店舗を運営するためのコストは高くなりがちです。また、立地やアクセスによっては集客に影響が出るため、初期資金が十分に確保できない場合はリスクが大きいといえます。

ネットショップ、ECサイト

近年増加しているのが、実店舗を持たずにオンラインで販売するネットショップやecサイトです。低リスクで道入しやすく、初期費用も実店舗と比較するとかなり抑えられるため、初めてブランドを立ち上げる方には魅力的な選択肢です。自社のブランドサイトを制作する場合は、制作会社に依頼することでコンセプトに沿った理想のものを作り上げると良いでしょう。モールに出店・出品する際には、各種サイトによって料金形態が異なるため、注意が必要です。

ただし、ネットショップを開設する際には「特定商取引法」に基づき、運営者の情報を開示する義務があります。住所や電話番号の公開に抵抗がある場合は、ネットショップの運用を代行するサービスを契約すると良いでしょう。

フリマ、ポップアップストア

フリマやポップアップストアでの出店は、期間限定で行うためコストも抑えられ、短期間でブランドの知名度を上げることが可能です。特にポップアップストアは、デパートなどのイベントスペースを利用して出店することができ、実店舗の雰囲気を体験しながらテストマーケティングを行う場としても有効です。

また、ネットショップだけで販売しているブランドも、ポップアップストアを通じて顧客に実際に服を手に取ってもらうことで認知度アップや新規顧客を獲得できるチャンスがあります。

クラウドファンディング

資金面でのサポートが必要な場合は、クラウドファンディングも選択肢の一つです。クラウドファンディングを利用することで、自分のブランドや商品の理念に共感してくれる支援者を集め、立ち上げ資金を確保することが可能です。

成功させるためには、しっかりとしたプロジェクトページを作成し、支援者に情熱やビジョンを伝えることが重要です。また、プロジェクトを通じて立ち上げ前にファンを獲得できるため、集客にもつながります。

ブランド立ち上げをサポートするサービス

最近では、アパレルブランドの立ち上げをサポートするサービスも数多く存在します。企画から製造、マーケティングに至るまで、全てを包括的にサポートするサービスや、特定のフェーズだけを支援するサービスもあります。

たとえば、縫製屋ドットネットのように、適切な縫製工場とブランドをマッチングさせるサービスは、初心者でも安心して立ち上げ準備を進められる手助けとなります。自分の弱点や課題を補ってくれるサービスを活用することで、スムーズに準備が進むでしょう。

アパレルの自社ブランド立ち上げに必要な準備と流れ

自社ブランドを立ち上げるためには、しっかりとした準備と明確な手順が必要です。以下に、その基本的な流れと必要な準備を解説します。

ブランドのコンセプトを決める

自社ブランドの立ち上げにおいて、最も重要なステップは「コンセプト」を決めることです。どんな商品を、どんなターゲット層に向けて、どのような想いを込めて展開するのかを明確にしましょう。コンセプトは、ブランドが成長する中で軸となるものです。今後のデザインやマーケティング活動がこのコンセプトに基づいて行われるため、慎重に時間をかけて設定することが重要です。

ブランド名とブランドロゴの決定

次に、ブランド名とロゴを決定します。ブランド名は、コンセプトを反映し、顧客に親しみやすいものにすると良いでしょう。英語や日本語など、さまざまな選択肢がありますが、イメージや響きがしっくりくるものを考えてください。

ブランド名が決まったら、それに合ったロゴも作成します。ロゴは商品のタグや広告に使われるため、ブランドの印象を左右する重要な要素です。デザイン会社やプロのデザイナーに依頼して、コンセプトに合ったロゴを制作しましょう。

費用準備

自社ブランドの立ち上げには資金が必要です。出店形態により必要な金額が大きく異なるため、事前に資金計画を立てておくことが重要です。立ち上げには主に以下の3つが考えらます。

実店舗の場合:テナントの賃料や設備・内装費・維持費など、多額の初期費用が必要です。店舗の立地も費用に影響を与えるため、総額1000万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
ネットショップの場合:実店舗に比べて初期費用はかなり低く、主に決済の手数料やシステム利用料が発生する程度です。資金が少ない状態でもスタートできます。
ポップアップストアの場合:短期間の出店となるため、1日あたり5,000円~20,000円程度の費用がかかります。時期や場所により異なりますが、資金を抑えてテストマーケティングを行うことが可能です。

オリジナル商品の製造

自社の商品を製造する場合、主な手順は下記のようになります。

1.メインとなるイメージを作成

2.ディテールの作成

3.デザインの指示書の作成

4.生地、素材の選定

5.縫製仕様書の作成

6.パターンの作成

7.サンプルの作成

8.縫製工場に見積もりを提出

9.生産

初心者にとっては複雑な工程ですが、縫製ドットネットのようなサポートサービスを利用すれば、これらの作業をスムーズに進めることができます。デザインと発注数さえ決まっていれば、経験豊富な専門家がサポートしてくれるため、初めてのブランド立ち上げでも安心です。

洗濯表示ネーム(タグ)の取り付け

日本国内で衣類を販売する際には、「家庭用品品質表示法」に基づいて洗濯表示や素材名、注意事項、表示社名などを記載したタグ(洗濯表示ネーム)を取り付けることが義務付けられています。特にセレクトショップを開設する場合、海外から輸入した商品などには、適切なタグを取り付け忘れないよう注意が必要です。

プロモーションの実施

商品の準備が整ったら、次はプロモーションです。現代では、SNSやWeb広告が主な宣伝手段として活用されています。InstagramなどのSNSでは、商品を着用したコーディネートの提案や、インフルエンサーを起用して商品の魅力を広めることが効果的です。また、Web広告に出稿することで、ターゲット層に効率的にアプローチすることができます。

成功するためには、商品の魅力を最大限に伝えるプロモーション戦略を立て、適切な手段を採用して展開することが重要です。

アパレルの自社ブランドを立ち上げた時にやること

無事に自社のブランドの立ち上げを行ったら、税務署へ開業届の提出が不可欠です。

提出しなくても罰則があるわけではなりませんが、開業届を行うことで確定申告の際に青色申告を利用でき税金が安くなります。個人での開業は登記手続きは不要ですし、開業届は比較的簡単に作成できるため、立ち上げから1ヶ月以内を目安に行いましょう。

また、必須ではありませんが商標登録をしておくと安心です。

同じブランド名を他社に登録されてしまうと、それ以降せっかく自分で作ったブランド名を使えなくなってしまうためです。

もちろん逆も然りで、商標登録されているブランド名を使ってしまうと商標権に抵触しますので、事前にチェックし絶対に使わないように気を付けましょう。

アパレルの自社ブランドを立ち上げる時の注意点

それでは自社のアパレルブランドの立ち上げに際し、失敗しないために注意しておきたい点を説明します。

類似ブランドがないか調査する

ブランドを立ち上げる前に、類似のブランドや商品がないかをしっかりと調査することが非常に重要です。既存ブランドに似たデザインやコンセプトの商品を製造・販売してしまうと、売上が伸びないばかりか、訴訟やトラブルに巻き込まれるリスクがあります。特にデザインやロゴなどは慎重に確認し、必ずオリジナリティを持たせるようにしましょう。

商品ラインを広げすぎない

ブランド立ち上げ時は、あれもこれもと多くの商品を作りたい気持ちになるかもしれません。しかし、商品ラインを広げすぎると、結果的に少量の生産を繰り返すことになり、原価や製造コストが高くなる可能性があります。

最初のうちは、製造コストや在庫管理の面で負担を減らすために、例えばトップスだけ、ボトムスだけといったように、商品を絞って販売を開始するのがおすすめです。市場の反応を見て、軌道にのってから少しずつラインナップを拡充していく方が、安定した成長につながります。

アパレルの自社ブランドの立ち上げを成功させるポイント

アパレルブランドを成功させるためには、いくつかの重要な要素を押さえておく必要があります。ここでは、ブランド立ち上げにおいて特に重要なポイントを整理して説明します。

コンセプトとターゲットを明確にする

先でも述べましたが、ブランド立ち上げの第一歩は、明確なコンセプトを設定することです。ブランドのコンセプトがしっかりしていれば、その後の製品開発やマーケティング戦略がスムーズに進みます。コンセプトが不明確だと、ブランドの方向性がブレやすく、顧客にもブランドの魅力が伝わりにくくなります。

ターゲット設定には、ペルソナを活用しましょう。マーケティングでよく用いられる手法で、年齢、性別、職業、ライフスタイルなど具体的な顧客像を描き、その人に向けた商品やサービスを提供します。ターゲットが明確であればあるほど、商品のコンセプトやデザインが絞り込め、結果的に顧客に訴求しやすくなります。

市場リサーチとトレンドへの対応

アパレル業界は、トレンドの移り変わりが激しい業界です。流行や消費者ニーズを常にリサーチし、変化に対応できるようにすることが成功への鍵です。市場の動向を定期的に把握し、製品開発や販売戦略に反映させることが大切です。

ただし、トレンドを追いかけすぎるのではなく、ブランド独自の個性を保ちながら、市場ニーズを捉えた商品を販売することが重要です。独自のスタイルを打ち出しつつも、消費者が求めるものを提供するバランスが、ビジネスとしての成功につながります。

まとめ

以上、アパレルブランド立ち上げの流れや注意点についてご説明しました。アパレルの自社ブランド立ち上げには、事前にしっかりとした知識や経験を積んでおくことが成功のカギとなります。出店方法には実店舗、ネットショップ、ポップアップストアなどがあり、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の目標や予算に適した方法を選ぶことが重要です。ブランドの成長に伴い、段階的に規模を拡大することでリスクを最小限に抑えることができます。

また、立ち上げには複雑な手順が多く、特に初心者には難しく感じる部分も少なくありません。そんな時には、縫製屋ドットネットのような専門サービスを利用して、スムーズに進めることが成功への近道です。

本サイトでは、アパレルブランド立ち上げに役立つさまざまな記事を掲載しています。ぜひ参考にしていただき、自社ブランドの成功に役立ててください。

「初めてのブランド立ち上げでどうしたらいいかわならない」などお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談ください。最後までご覧いただきありがとうございました。

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