トレーナーやTシャツなどの丸首の商品は洗濯すると衿の部分が伸びてしまってだらしなくなってしまうものが多くあります、たいていの人は生地が悪いからだと思っていますが、じつは縫製の問題もたくさんあるのです。
ただし、衿自体に編みこんである細いゴム(ポリウレタン)が劣化して切れたりして伸びるのは避けられません
このページではこんな縫製工場だからわかる、品質や良いTシャツの見分け方などお知らせします。
衿とはどんな物?
Tシャツやトレーナーの衿は、「フライス」を使う場合と「テレコ」を使う場合があります。
フライスはフライス編みと言って、編み方で伸縮性を確保しています。
テレコは生地の中にポリウレタンを少し編み込んであり、このポリウレタンにより伸縮性を確保しています。
衿の生地自体の劣化によって衿が伸びることも多くあります。
例えばポリウレタンの劣化であったり、編み目の移動などです。
縫製の問題でTシャの衿が伸びるのは
トレーナーやTシャツは身頃側の衿ぐりより衿のほうが小さく作られています。 これを縫製するときにどうするかによって、洗濯後に差が出るのです。
悪い縫い方
身頃の衿ぐりより衿の方が小さいのだから小さい方の衿を伸ばして縫う。 この方法だと縫製技術があまり高くない人が縫っても衿を付けることができます。 でも縫い上がった状態では縫い目が波打っています。 これをアイロンでうまくごまかして出荷するのです(アイロンがけはかなり大変)。 このような商品は最初から伸ばして縫っているので、どんなに高級な生地を使っても洗濯すると衿が伸びてしまうのです。
良い縫い方
身頃の衿ぐりより衿の方が小さいので小さい衿を伸ばさず、衿に合わせて身頃側を少しギャザーを入れるような感じでいせ込むように縫う。 この方法は縫う人の高い技術を必要とします。縫い上がった状態では衿がすっきりと付いており身頃側に少しシワがあるように見えます。 この商品は軽く形を整える程度のアイロンがけで出荷します。 このように縫製された商品は生地の品質が悪くてもかなり衿の形を維持します。 また良い生地を使った商品ではほとんど衿が伸びないのです。
いせ込みながら縫う技術がないと良い商品にはならないのです。