アパレルの自社ブランド立ち上げに必要な準備や流れを解説

「アパレルの自社ブランドを新たに立ち上げたい!けれど、そのためには何をしたらよいのか分からない…」といったお悩みはありませんか?

最近では、アパレルメーカーなどの法人に限らず、インフルエンサーや個人でもブランドを立ち上げる人が増えています。しかし、ファッションや洋服が好きというだけでは、自社ブランドの立ち上げや運営に関する知識や経験がないため、何から始めれば良いのか不安になることも多いでしょう。

そこで今回の記事では、アパレルの自社ブランドを立ち上げたいと考えている皆さんに向け、必要な準備や流れ、立ち上げにかかる費用について詳しく解説します。ブランドのコンセプト作りから実店舗やネットショップの出店、商品プロモーションまで、段階ごとに具体的なポイントを押さえていますので、初めての方でも安心して進められる内容です。

ぜひ最後までご覧いただき、今後のブランド立ち上げの参考にしていただければと思います。

アパレルの自社ブランド立ち上げに向けて必要なこと

未経験から自社ブランドを立ち上げたい場合、まずはアパレル業界で実際に働いて経験を積むことが大変役立ちます。現場で商品仕入れや商品開発、運営方法などのノウハウを習得できるため、ビジネスの基礎をしっかりと身につけることができます。

また、服飾の専門学校に通い、ファッションビジネスやデザイン、製図、スタイリングといった専門知識を基礎から学ぶことも効果的です。さらに、学校での学びを通じて業界内の人脈を構築しておくことも、将来の大きな強みになるでしょう。

もし経営やマネジメントのスキルに自信がない場合、その分野に強いパートナーを見つけ、一緒にブランドを立ち上げるという選択肢もあります。自分一人ですべてをこなす必要はなく、強みを持つ人と協力することで成功の可能性を広げることができます。

とはいえ、専門的な経験や学びが必須というわけではありません。独学で必要な知識を学び、計画的に起業の準備を進めれば、自社ブランドを立ち上げることは十分可能です。

最も重要なことは、ファッションに対する情熱と、ファッションビジネスに挑戦する強い意志です。この気持ちがあれば、どのような道を選んでも成功に向けて前進できます。

アパレルの出店方法の種類

自社ブランドを立ち上げる際、どのような形態で出店・販売するかは重要なポイントです。ここでは、代表的な販売方法を紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。自分のビジネスモデルに最適なスタイルを見つけてください。

実店舗

実店舗を構えることで、お客様が商品を直接手に取って確認できるため、信頼感の向上や顧客との対話が可能になります。特に高品質な商品やこだわりのあるデザインの場合、実物を見てもらうことで販売のチャンスが広がるでしょう。

しかし、物件のテナント料や内装費など、実店舗を運営するためのコストは高くなりがちです。また、立地やアクセスによっては集客に影響が出るため、初期資金が十分に確保できない場合はリスクが大きいといえます。

ネットショップ、ECサイト

近年増加しているのが、実店舗を持たずにオンラインで販売するネットショップやecサイトです。低リスクで道入しやすく、初期費用も実店舗と比較するとかなり抑えられるため、初めてブランドを立ち上げる方には魅力的な選択肢です。自社のブランドサイトを制作する場合は、制作会社に依頼することでコンセプトに沿った理想のものを作り上げると良いでしょう。モールに出店・出品する際には、各種サイトによって料金形態が異なるため、注意が必要です。

ただし、ネットショップを開設する際には「特定商取引法」に基づき、運営者の情報を開示する義務があります。住所や電話番号の公開に抵抗がある場合は、ネットショップの運用を代行するサービスを契約すると良いでしょう。

フリマ、ポップアップストア

フリマやポップアップストアでの出店は、期間限定で行うためコストも抑えられ、短期間でブランドの知名度を上げることが可能です。特にポップアップストアは、デパートなどのイベントスペースを利用して出店することができ、実店舗の雰囲気を体験しながらテストマーケティングを行う場としても有効です。

また、ネットショップだけで販売しているブランドも、ポップアップストアを通じて顧客に実際に服を手に取ってもらうことで認知度アップや新規顧客を獲得できるチャンスがあります。

クラウドファンディング

資金面でのサポートが必要な場合は、クラウドファンディングも選択肢の一つです。クラウドファンディングを利用することで、自分のブランドや商品の理念に共感してくれる支援者を集め、立ち上げ資金を確保することが可能です。

成功させるためには、しっかりとしたプロジェクトページを作成し、支援者に情熱やビジョンを伝えることが重要です。また、プロジェクトを通じて立ち上げ前にファンを獲得できるため、集客にもつながります。

ブランド立ち上げをサポートするサービス

最近では、アパレルブランドの立ち上げをサポートするサービスも数多く存在します。企画から製造、マーケティングに至るまで、全てを包括的にサポートするサービスや、特定のフェーズだけを支援するサービスもあります。

たとえば、縫製屋ドットネットのように、適切な縫製工場とブランドをマッチングさせるサービスは、初心者でも安心して立ち上げ準備を進められる手助けとなります。自分の弱点や課題を補ってくれるサービスを活用することで、スムーズに準備が進むでしょう。

アパレルの自社ブランド立ち上げに必要な準備と流れ

自社ブランドを立ち上げるためには、しっかりとした準備と明確な手順が必要です。以下に、その基本的な流れと必要な準備を解説します。

ブランドのコンセプトを決める

自社ブランドの立ち上げにおいて、最も重要なステップは「コンセプト」を決めることです。どんな商品を、どんなターゲット層に向けて、どのような想いを込めて展開するのかを明確にしましょう。コンセプトは、ブランドが成長する中で軸となるものです。今後のデザインやマーケティング活動がこのコンセプトに基づいて行われるため、慎重に時間をかけて設定することが重要です。

ブランド名とブランドロゴの決定

次に、ブランド名とロゴを決定します。ブランド名は、コンセプトを反映し、顧客に親しみやすいものにすると良いでしょう。英語や日本語など、さまざまな選択肢がありますが、イメージや響きがしっくりくるものを考えてください。

ブランド名が決まったら、それに合ったロゴも作成します。ロゴは商品のタグや広告に使われるため、ブランドの印象を左右する重要な要素です。デザイン会社やプロのデザイナーに依頼して、コンセプトに合ったロゴを制作しましょう。

費用準備

自社ブランドの立ち上げには資金が必要です。出店形態により必要な金額が大きく異なるため、事前に資金計画を立てておくことが重要です。立ち上げには主に以下の3つが考えらます。

実店舗の場合:テナントの賃料や設備・内装費・維持費など、多額の初期費用が必要です。店舗の立地も費用に影響を与えるため、総額1000万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
ネットショップの場合:実店舗に比べて初期費用はかなり低く、主に決済の手数料やシステム利用料が発生する程度です。資金が少ない状態でもスタートできます。
ポップアップストアの場合:短期間の出店となるため、1日あたり5,000円~20,000円程度の費用がかかります。時期や場所により異なりますが、資金を抑えてテストマーケティングを行うことが可能です。

オリジナル商品の製造

自社の商品を製造する場合、主な手順は下記のようになります。

1.メインとなるイメージを作成

2.ディテールの作成

3.デザインの指示書の作成

4.生地、素材の選定

5.縫製仕様書の作成

6.パターンの作成

7.サンプルの作成

8.縫製工場に見積もりを提出

9.生産

初心者にとっては複雑な工程ですが、縫製ドットネットのようなサポートサービスを利用すれば、これらの作業をスムーズに進めることができます。デザインと発注数さえ決まっていれば、経験豊富な専門家がサポートしてくれるため、初めてのブランド立ち上げでも安心です。

洗濯表示ネーム(タグ)の取り付け

日本国内で衣類を販売する際には、「家庭用品品質表示法」に基づいて洗濯表示や素材名、注意事項、表示社名などを記載したタグ(洗濯表示ネーム)を取り付けることが義務付けられています。特にセレクトショップを開設する場合、海外から輸入した商品などには、適切なタグを取り付け忘れないよう注意が必要です。

プロモーションの実施

商品の準備が整ったら、次はプロモーションです。現代では、SNSやWeb広告が主な宣伝手段として活用されています。InstagramなどのSNSでは、商品を着用したコーディネートの提案や、インフルエンサーを起用して商品の魅力を広めることが効果的です。また、Web広告に出稿することで、ターゲット層に効率的にアプローチすることができます。

成功するためには、商品の魅力を最大限に伝えるプロモーション戦略を立て、適切な手段を採用して展開することが重要です。

アパレルの自社ブランドを立ち上げた時にやること

無事に自社のブランドの立ち上げを行ったら、税務署へ開業届の提出が不可欠です。

提出しなくても罰則があるわけではなりませんが、開業届を行うことで確定申告の際に青色申告を利用でき税金が安くなります。個人での開業は登記手続きは不要ですし、開業届は比較的簡単に作成できるため、立ち上げから1ヶ月以内を目安に行いましょう。

また、必須ではありませんが商標登録をしておくと安心です。

同じブランド名を他社に登録されてしまうと、それ以降せっかく自分で作ったブランド名を使えなくなってしまうためです。

もちろん逆も然りで、商標登録されているブランド名を使ってしまうと商標権に抵触しますので、事前にチェックし絶対に使わないように気を付けましょう。

アパレルの自社ブランドを立ち上げる時の注意点

それでは自社のアパレルブランドの立ち上げに際し、失敗しないために注意しておきたい点を説明します。

類似ブランドがないか調査する

ブランドを立ち上げる前に、類似のブランドや商品がないかをしっかりと調査することが非常に重要です。既存ブランドに似たデザインやコンセプトの商品を製造・販売してしまうと、売上が伸びないばかりか、訴訟やトラブルに巻き込まれるリスクがあります。特にデザインやロゴなどは慎重に確認し、必ずオリジナリティを持たせるようにしましょう。

商品ラインを広げすぎない

ブランド立ち上げ時は、あれもこれもと多くの商品を作りたい気持ちになるかもしれません。しかし、商品ラインを広げすぎると、結果的に少量の生産を繰り返すことになり、原価や製造コストが高くなる可能性があります。

最初のうちは、製造コストや在庫管理の面で負担を減らすために、例えばトップスだけ、ボトムスだけといったように、商品を絞って販売を開始するのがおすすめです。市場の反応を見て、軌道にのってから少しずつラインナップを拡充していく方が、安定した成長につながります。

アパレルの自社ブランドの立ち上げを成功させるポイント

アパレルブランドを成功させるためには、いくつかの重要な要素を押さえておく必要があります。ここでは、ブランド立ち上げにおいて特に重要なポイントを整理して説明します。

コンセプトとターゲットを明確にする

先でも述べましたが、ブランド立ち上げの第一歩は、明確なコンセプトを設定することです。ブランドのコンセプトがしっかりしていれば、その後の製品開発やマーケティング戦略がスムーズに進みます。コンセプトが不明確だと、ブランドの方向性がブレやすく、顧客にもブランドの魅力が伝わりにくくなります。

ターゲット設定には、ペルソナを活用しましょう。マーケティングでよく用いられる手法で、年齢、性別、職業、ライフスタイルなど具体的な顧客像を描き、その人に向けた商品やサービスを提供します。ターゲットが明確であればあるほど、商品のコンセプトやデザインが絞り込め、結果的に顧客に訴求しやすくなります。

市場リサーチとトレンドへの対応

アパレル業界は、トレンドの移り変わりが激しい業界です。流行や消費者ニーズを常にリサーチし、変化に対応できるようにすることが成功への鍵です。市場の動向を定期的に把握し、製品開発や販売戦略に反映させることが大切です。

ただし、トレンドを追いかけすぎるのではなく、ブランド独自の個性を保ちながら、市場ニーズを捉えた商品を販売することが重要です。独自のスタイルを打ち出しつつも、消費者が求めるものを提供するバランスが、ビジネスとしての成功につながります。

まとめ

以上、アパレルブランド立ち上げの流れや注意点についてご説明しました。アパレルの自社ブランド立ち上げには、事前にしっかりとした知識や経験を積んでおくことが成功のカギとなります。出店方法には実店舗、ネットショップ、ポップアップストアなどがあり、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の目標や予算に適した方法を選ぶことが重要です。ブランドの成長に伴い、段階的に規模を拡大することでリスクを最小限に抑えることができます。

また、立ち上げには複雑な手順が多く、特に初心者には難しく感じる部分も少なくありません。そんな時には、縫製屋ドットネットのような専門サービスを利用して、スムーズに進めることが成功への近道です。

本サイトでは、アパレルブランド立ち上げに役立つさまざまな記事を掲載しています。ぜひ参考にしていただき、自社ブランドの成功に役立ててください。

「初めてのブランド立ち上げでどうしたらいいかわならない」などお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談ください。最後までご覧いただきありがとうございました。

国内の縫製工場にはどんな特徴があるの?個人でも対応できる工場の探し方も紹介

近年はアパレルメーカーではなく個人の方、アパレル生産に未経験の方が自身のオリジナルブランドを立ち上げたり、アパレル製品を作りたいといって縫製工場を探されている方が増えています。

特に日本は多様なデザインのファッションを楽しみ、服やアイテムで個性を出したいという人が多い国。更に最近はSNSが普及し誰でも発信者になれる時代になったため、インフルエンサーがオリジナルブランドを立ち上げるケースも非常に多くあります。

一方で未経験者や小ロットでの生産を希望する人にとって、受注を引き受けてくれる縫製工場を自分で見つけるのは少し苦労するかも知れません。

コストを抑えるために海外の工場へ依頼するケースも増えている今、個人で国内の縫製工場に依頼することは出来るのか、そしてそうするメリットはあるのでしょうか?

そこで今回の記事では、日本国内の縫製工場の現状と特徴、強み、そして未経験や個人でも対応可能な縫製工場の見つけ方について解説します。

日本国内のアパレル縫製工場の現状とこれから

残念ながら日本の繊維産業や縫製業界の衰退は進んでおり、規模を縮小したり廃業、倒産する縫製工場が年々増えている状況です。

更に深刻なのは従業員の高齢化で、縫製にたずさわる日本人の数も減り、多数の工場では新たな人材を確保するために外国人の技能実習生を受け入れています。

高級ブランドには日本製にこだわりを持ち、国内に縫製工場を持つ会社もあります。

しかしそうではない多くの縫製工場が生き残るためには、大手メーカーのOEM生産を行ったり、オンラインショップ向けに商品を供給したり、自分たちのファクトリーブランドを作って直販するといった手段をとる必要があるでしょう。

日本国内の縫製工場の特徴と強み

日本のアパレル生産は、海外の工場と比べ細かく仕事を分業化しているという特徴があります。

その中で縫製工場は「縫製をし製品にする」という役割を担っています。

具体的には、生地を裁断し、縫製をしてアイロンで仕上げ、検品を行って出荷するという工程になります。

工場によって所有しているミシンの種類が異なるため、企画する全ての商品に対応できるわけではありません。希望の縫い方や編み方に対応できる工場であるかどうかを確認し、内容によっては複数の工場を連携させる必要があります。

国内の縫製工場の強みとしては、コミュニケーションがとりやすく細かな要望やニュアンスを理解し、柔軟な対応をしてくれること、高度な技術を持っている職人が多いため高品質な製品を生産できること、納期が短いこと、生産した製品の知財権を保護しやすいこと等があります。

個人や未経験でも歓迎してくれる国内縫製工場の探し方

縫製工場は経験豊富で大量生産する場合でないと依頼しにくいといったイメージはありませんか?

個人で洋服を作りたいけれど、アパレル生産に関する知識も経験も少なく、縫製工場を見つけるために何をしたら良いのか、どう探したら良いのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

そこで未経験の方や小ロットの生産、サンプル縫製でも対応が可能な縫製工場が集まる「縫製屋ドットネット」を活用してみませんか?

縫製屋ドットネットではアパレル生産を希望する方と国内の縫製工場とをマッチングし、ブランドの立ち上げをサポートしています。

十分な情報が無い人を支援するサービスですから、デザインと大まかな発注数が決まっていれば大丈夫。

パタンナーが型紙の作成を行い、ノウハウのある工場がデザイン画からきちんとした製品に仕上げますので安心してご依頼ください。

縫製工場によるブランド「ファクトリーブランド」とは?メリット、デメリットを解説します

ファッションが好きな人であれば「ファクトリーブランド」という言葉を聞いた事があるかと思います。

日本語にすると「工場のブランド」ということになりますが、一体どういうブランドなのでしょうか。

今回の記事では、縫製工場によるこの「ファクトリーブランド」について解説してまいりたいと思います。

最後までご覧いただき、よりファッションや縫製工場について知るための参考にしていただければと思います。

縫製工場のブランド「ファクトリーブランド」とは

一般的にファッションブランドの多くは自社で名を付けたブランドで企画したものを外部の縫製工場に委託し、商品を制作しています。

一方で「ファクトリーブランド」とは、縫製工場が自らデザイン、企画をしたオリジナルを制作し、それに自分たちで名を付けて展開しているブランドです。

最近は有名なブランドから委託を受けたことのある工場が自らブランドを立ち上げ、その経験と実績も売りとなって人気を博す事例もあり、ファクトリーブランドに注目が集まるようになりました。

実際にファクトリーブランドで既に世の中に広く展開されメジャーとなっているブランドもいくつかあり、それが縫製工場発のブランドだとは気付いていない、知らない消費者が多くいるでしょう。

縫製工場のブランド「ファクトリーブランド」のメリット

縫製工場が立ち上げるブランドのメリットとしてまず挙げられるのは「クオリティの高さ」でしょう。

元々縫製工場というのは服やファッションアイテムを作ることが専門ですから、縫製はもちろん、生地や素材に関する知識や制作の技術が非常に優れているわけなんですね。

そしてもう一つは、その品質の高さに対して価格がリーズナブルであること。

ファクトリーブランドは一般的なアパレル企業が必要とする外注にかかる手間、時間、費用を削減できるため、その分価格を下げることが可能です。

高級なブランドを生産してきた縫製工場は、同じ品質の製品をおよそ半額で販売しているケースが多く、ブランドのネームバリューにこだわりがなく品質を重視する人にとっては非常にお買い得であると言えます。

縫製工場のブランド「ファクトリーブランド」のデメリット

一方で縫製工場発のブランドの弱点として考えられるものとしては、デザイナーのデザイン力でしょうか。

メリットで挙げたように縫製工場は洋服作りが専門ですから、デザインに関する知識や経験は一般的なファッションブランドのメーカーよりも乏しい傾向にあり、シンプルなデザインの洋服が多く見られます。

しかしシンプルなデザインであればあるほど素材の良さや縫製の技術力が目立ちます。トレンドを追いかけず質の高い定番商品を求めているお客様にとって奇抜なデザイン性の有無は問題にならず、むしろブランドの売りとして捉えられるでしょう。

また、縫製工場はビジネスとしてマーケットに売り込むような仕事は本来あまり必要がないため、ブランドを立ち上げてもそういったノウハウを持っていないと世の中に拡散していく方法が分からず集客に苦戦してしまうこともあります。

ただ、今はSNSがマーケットの主流であり、手軽にInstagramやX等を活用して自社のブランドを広めることが可能です。実際に多くのファクトリーブランドがSNSで情報を発信し、販売サイトやブランドのホームページへと流入しています。

まとめ

以上で紹介してきたように、縫製工場が立ち上げるブランド「ファクトリーブランド」は高品質であるにも関わらずリーズナブルな価格に魅力があり、誰もが知っているブランドを持つことよりも「知る人ぞ知るブランド」を持つことに価値やこだわりを感じる人にとっては自分のお気に入りのファクトリーブランドを見つけるという楽しみもあるでしょう。

縫製屋ドットネットでは、世界のファッション業界からも一目置かれている日本の高い縫製技術を持った縫製工場と、アパレルブランドを立ち上げたいという個人、法人のお客様とをつなげるお手伝いを行っています。

初めてのブランド立ち上げで不安を感じている方でも小ロットから依頼が可能で安心して制作、製造が進められるよう対応できる工場がたくさんありますので、興味のある方はお気軽にお問合せいただき、一緒に夢を実現させましょう!

個人向けの縫製工場の探し方

「新しいブランドを立ち上げようと思っている。」「これから個人で活動を始めようと思っている。」

このように個人でアパレル業界の仕事をスタートさせようとしている人は多くいらっしゃいますが、その中には

「どこの縫製工場を選んだら良いのか分からない」「初心者で個人の自分を受け入れてくれる工場はあるの?」

といった不安を抱えている人は少なくないでしょう。

そこで今回の記事では、個人向けの縫製工場の探し方、選び方について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

個人での縫製工場の探し方

作りたいアイテムで探す

縫製工場とひと言で言っても、工場によって得意な縫製、不得意な縫製、使用しているミシンの種類によって縫うことが出来るアイテム、出来ないアイテム、取扱い可能な生地、NGな生地等々・・・まちまちです。

そのため、まずは自分が作ろう・作りたいと思っているアイテムは何なのか(コート、パンツ、スーツ、カットソー、子ども服等)というところから縫製工場を探していきましょう。

縫製工場のこれまで制作した実績を見てどんなものを生産しているのか、得意としているのかを調べて判断します。

中にはすべての縫製が可能、という工場が見つかることもあります。

最低ロット数で探す

ほとんどの縫製工場には最低ロットが決められています。

しかし個人で活動する場合、量産せず少ない枚数で生産したいというケースが多いかと思います。

そこで縫製工場を探す時はそれぞれの最低ロット数を確認し、小ロットでの生産が可能な縫製工場を探してみましょう。

中には小ロット生産を売りにしている工場もありますので要チェックです。

初心者歓迎から探す

初心者で個人の方が縫製工場を選ぶとなると、縫製やブランド、生産管理等の知識が必要となる場面にたくさんぶつかるでしょう。

一般的な縫製工場というのはプロや法人向けの工場が多いため、初心者向けのサポートは行っておらず断られてしまうというケースも少なくありません。

しかし、上記で紹介した小ロット生産を受け入れている工場などは個人の方や初心者を歓迎している可能性が高いです。

まずは経験を積むためにも、数は少ないですが初心者でも丁寧に対応してくれる縫製工場を探すことをおすすめします。

個人・初心者でも受け入れてくれる縫製工場の特徴

勇気を出して縫製工場に直接問合せや電話をしたのに、冷たく断られてしまうと落ち込んでしまいますよね。

個人や初心者でも受け入れてくれる縫製工場にはいくつかの特徴が見られます。

こだわりや強い希望により依頼したい縫製工場を心に決めている、という場合以外であれば以下の特徴を持つ工場に問合せをしてみてはいかがでしょうか。

1.サンプル、小ロットの生産が可能

2.受注生産が可能

3.個人の製作実績あり

4.ブランドの立ち上げ実績あり

5.「個人・初心者歓迎」とホームページやSNSに記載あり

以上のような特徴のある工場をいくつかピックアップし、その中から自分の理想を商品として形にすることが出来るかどうか問合せ、質問をしていきましょう。

個人で縫製工場を見つけることが難しい方におすすめのサービス

個人で縫製工場を探している方は以上を踏まえて工場を探していくことになりますが、自分で探してみてもなかなか条件に合った向上が見つからない、とお困りのお客様もたくさんいらっしゃるかと思います。

そんな方には、縫製屋ドットネットのマッチングサービスの利用を強くおすすめします。

縫製屋ドットネットは、個人でファッションの起業を考えている方や、ブランドの立ち上げに関する知識や情報が少ない方を支援するためのサービスを提供しています。

初心者や個人の方でも受け入れOKで実績の豊富な会社が多数参加していますので、お客様の希望に合った縫製工場を紹介することが可能です。

企画やデザイン、生地がある程度決まっていれば、標準体型のデータからパタンナーがパターンを作成してくれるので安心です。

ぜひ高い品質を誇る日本の縫製技術、職人の技であなたの夢を実現するお手伝いをさせてください。

ご相談は無料です。気になる料金も含め、お気軽にお問合せいただければ幸いです。

日本の縫製工場の魅力とは?

日本の縫製工場の現状

今、日本の縫製工場は縮小や廃業、倒産に追い込まれている工場が多く、今後ますます増加すると見られています。

特に50人以上の大規模な縫製工場というのは、国内にはほとんど残っていない状況です。

その原因としてコロナウイルスの流行を境に世の中の価値観や経済状況が大きく変化し、人々がお金を使わなくなったことも影響しています。

海外の安い縫製工場を製造の拠点としたファストファッションが流行し、安くてもある程度品質の良い洋服が買えるようになったこと。フリマアプリが消費者にとって身近になり、店舗で新品を商品を購入する人が減ったこと等、洋服やファッションアイテムに対し低コストを求めるようになりました。

そのため日本の縫製工場への受注は減少し、当然工場の賃金も下がります。

低賃金であるため若い人が集まらず、従業員が高齢化。そして日本人の新しい人材が確保できないため外国人の技能実習生に頼っている状態となる等、維持していくことが難しくなっているのです。

日本の縫製工場5つの魅力

ただ一方で、多くの低コストを求める人たちとは逆に、より高級志向を高めている人たちもいます。

「量より質に重きを置き、流行に左右されず長く使える物を。」

そこで次に、日本の縫製工場の魅力を紹介してまいります。

縫製技術の高さ

日本の縫製工場の魅力といえば、やはり世界でも群を抜いてレベルの高い縫製技術でしょう。

高齢化したとはいえ、日本の縫製工場にはまだまだ高い技術を持った縫製士の方がたくさんいらっしゃいます。

縫製工場は機械化が進みましたが、品質の高い製品は職人による手仕事での仕上げや調整を行っているため、その細かく丁寧な質の高さが世界でも評価されているのです。

また、数は少なくとも業界に入った若者にその技術を継承し、更に若者ならではの発想で新しい時代に沿ったものづくり、環境づくりといったものに取り組んでおり、より高品質な製品を生産することを可能としています。

きめ細やかな対応

まず、日本の縫製工場ですから当然日本語でコミュニケーションをすることが可能です。

海外の縫製工場に依頼をしたことがある方にとって、これがどれだけ重要なことか痛感されているのではないでしょうか。

細かな指示や変更、要望等も正確に情報を伝えることが出来ることは、良い製品を完成させることにつながります。

製造を進める中で、デザインやカラー、サイズ、プリント、パーツ、生地など様々な変更点が出てくることがありますが、コミュニケーションが上手く取れないとその度に進行がストップし、各方面に負荷がかかってしまいますよね。

他にも、日本の縫製工場では小ロットの生産に対応できる設備や技術を持っている工場が多く、必要に応じてカスタマイズ出来る点も大きなメリットと言えます。

納期の早さ

日本の縫製工場に依頼すると、海外の縫製工場と比べて短い納期で納品することが可能となります。

海外に発注をした場合、縫製が早く完了しても日本までの輸送にどうしても時間がかかってしまいますし、もし納品された製品に不具合や問題が見つかった際、更に時間がかかることになりますしクレームに発展する恐れもあるでしょう。

質の高い製品を早く納品することで、結果的に海外よりも全体のコストが抑えられることもあるのです。

知的財産の保護

日本では特許法、商標法、意匠法など知的財産権に関する法律が整備されています。

そして日本で生産された商品はこれらの法律が適用されます。

自分のブランド、会社のブランドの価値や信頼性、デザイン、技術などを守りたければ、これらの法律を容易に活用できる日本での製造がやはりおすすめです。

地域への貢献

日本の縫製工場は都心部よりも地方に多く存在しています。

地方では仕事が少なく若い人が都心へ流出してしまうといったことが起こっているため、縫製工場が元気になれば新たな雇用を生み出し、地域の活性化にもつながる可能性があります。

まとめ

以上のように、日本の縫製工場を取り巻く現状は厳しい状況ではあるものの、世界に誇る日本の高い技術を求める人たちもいます。

また、自分のブランドを作りたいと服作りに夢を抱く若者もたくさんいます。

そんな縫製工場とアパレル業界を目指す人、会社をつなぐため、縫製屋ドットネットはマッチングサービスを提供しています。

日本から素晴らしい製品を作り出すため、一緒に挑戦しませんか?

相談、問合せは無料です。お気軽にご連絡をお待ちしております。

縫製工場のマッチングサービスのメリット・デメリットは?個人や初心者でも利用できるの?

「多くの縫製工場の中からどの会社を選べば良いのか分からない。」「そもそもどのように依頼をすれば良いの?」「アパレルが初めてで不安。」

アパレルブランドの立ち上げを検討している人や自分がデザインした服を縫ってくれる工場を探している方の中には、縫製工場選びに迷われている方も多いかと思います。

そこでおすすめなのが、縫製工場のマッチングサービスの利用です。

今回の記事では、縫製工場のマッチングのメリット・デメリット、日本のアパレル産業の現状などを中心に解説してまいります。

どうぞ最後までご覧ください。

縫製工場のマッチングサービスを利用するメリットは?

近年、縫製工場とアパレルメーカーをマッチングするサービスが増えています。

自分たちの生産設備を持たないアパレルメーカーと、営業力のない縫製工場に向け、所謂「仲介」を行って双方をつなぐ役割があるわけですが、縫製工場とのマッチングサービスを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

アパレル企業と縫製工場、それぞれの視点から見たメリットを以下に紹介していきましょう。

アパレル企業のメリット

縫製工場を探しているアパレル企業にとってまず大きなメリットは、細かな条件に合う工場を自分たちの手や足で探し出し選ぶという手間や時間をかけなくても良いという点でしょう。

また、条件に合った工場を見つけても、自分たちの考えたアイディアを理想の形にするためには縫製工場と信頼関係を作り、しっかりコミュニケーションをとっていかなければなりませんが、特にアパレルの初心者で実績がない場合はどのように依頼し進めていけば良いのか分からず、受け入れてもらえないケースもあります。

そこでマッチングサービスを利用すれば、そのような不安を持たずに依頼をすることが可能です。

更にはお願いする縫製工場が決まって製造が進む中で、進捗やスケジュールに関して工場に直接確認しなくても、マッチングサービス会社に間に入ってもらって情報共有することができる場合があるので、直接のやりとりよりもスムーズに進められるケースも少なくありません。

縫製工場のメリット

縫製工場にとってのメリットとしてまずあげられるのは、職人ばかりで営業を担当できる者がいない、そもそも営業活動が苦手、等といったよくあるケースでも新規の仕事をとることが可能である点。

そしてマッチングサービスに登録することで同じブランドばかりでなくさまざまな商品の生産に携われるチャンスがあるため、技術を磨き仕事の幅を広げられるといったメリットもあります。

縫製工場のマッチングサービスを利用するデメリットは?

それでは次に、縫製工場とアパレル企業を結びつけるマッチングサービスを利用することで考えられるデメリットについてもしっかり紹介していきたいと思います。

メリットとデメリットの両方を意識した上で上手く活用していただければと思います。

仲介手数料が発生する

縫製工場とのマッチングを提供している会社の多くは、利用にあたり仲介手数料を支払う必要が出てきます。縫製工場、アパレル企業、それぞれが規定で決められた料金を支払わなくてはなりません。

自分たちで探す労力や時間と比較して検討することをおすすめしますが、特にアパレル企業側としては多少お金をかけてでも希望にマッチした工場をいち早く見つけ、効率良く商品化を行いビジネスを進めていくためには必要な経費であると考えているようです。

継続受注、専属契約の保証がない

縫製工場としては、条件に合うアパレル企業がないとなかなか仕事を受注できないという点もデメリットとして挙げられます。

その場合はマッチングサービスに登録しつつ、他の集客の手法も並行して行わなければならないでしょう。

他には、継続して発注および生産できるかどうかが分からないという点です。

マッチングサービスでは専属での契約や長期間の継続を保証できるわけではないので、希望がある場合にはマッチングサービス会社へしっかり相談しましょう。

日本のアパレル産業の現状と課題

今やアパレルの縫製の発注は中国など海外にある縫製工場へと流れています。

また、アパレル産業は店頭で販売されるまでの間に多くの業者が入り中抜きされるシステムとなっているため、縫製工場が得られる単価は非常に安い現状にあります。

2023年には円安の影響で海外で生産するメリットは低くなっているものの、そもそも海外の低価格を売りにしたブランドが台頭し、日本のインフルエンサーや動画クリエイターたちが海外メーカーの洋服やファッションアイテムをこぞって紹介している状況です。

日本の縫製工場が生き残るためには、このような世界を相手に簡単ではないさまざまな問題に対処しなければならないのです。

縫製屋ドットネットはアパレル初心者の方でも丁寧にサポートします!

そんな中、縫製屋ドットネットは日本が誇る丁寧な縫製による高品質なものづくりを守るため、国内に工場を持っている縫製工場が集まり、さまざまな素材や生地、サンプルの縫製、小ロットでの製造に対応しています。

オリジナルのブランドを立ち上げたいという方、縫製工場に依頼するために何をすれば良いのか分からないと不安を抱えている方のサポートも行います。

細かな情報はわからなくても、デザインとおおまかな発注数さえ決まっていれば、型紙の作成やデザイン画から洋服を作ることができる工場がございます。必要な提案を適宜させてただきながら丁寧に支援しますのでご安心ください。

もちろん法人だけでなく個人の方も歓迎しています。

相談、お問合せは無料です。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

【アパレルとSDGs】業界が抱える問題と取り組み事例

現在、日本を含む世界中でSDGsに基づいた行動が推奨されています。その中でもアパレル業界は、数年前から現在に至るまで多くの問題が取りざたされており、SDGsへの取り組みがますます注目を集めています。

そこで今回の記事では、SDGsの概要からアパレル業界が抱える問題点、そして業界が取り組むべきSDGsに向けた目標について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

SDGsとは何か

今や多くの人々に浸透しつつあるSDGsですが、その基本的な概要を紹介します。SDGsは「持続可能な開発目標」を意味し、2001年に制定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標として、2015年に国連サミットで採択されました。

SDGsは、17のゴールと169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人取り残さない」という誓いのもと、発展途上国だけでなく先進国も含め、全ての国々が取り組むものです。

<SDGsの17の目標>

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.全ての人に健康と福祉を

4.質の良い教育をみんなに

5.ジェンダーの平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公平をすべてのひとに

17.パートナーシップで目標を達成しよう

アパレル業界が抱える問題

アパレル業界、特に「ファストファッション」と呼ばれる業態は、SDGsで掲げられているいくつかの目標に対して深刻な問題を抱えています。ファストファッションは、日本だけでなく世界中で高い人気を誇り、多くのブランドが世界に展開しています。代表的なブランドは以下の通りです。

 

<ファストファッションブランド一覧>

ユニクロ(日本)

GU(日本)

しまむら(日本)

無印良品(日本)

H&M(スウェーデン)

ZARA(スペイン)

GAP(アメリカ)

SHEIN(中国)

これらのブランドは誰もが知っており、非常に身近で、多くの人が一着は持っているブランドでしょう。特に最近、YouTubeなどのSNSで注目を集めているSHEINは売上が急増し、2022年にはトップクラスのブランドに成長しました。

しかし、ファストファッションには大きく分けて2つの問題、すなわち「環境問題」と「労働問題」が存在します。

 

環境問題

服 廃棄

アパレル業界は繊維産業であり、その多くがポリエステルやレーヨンといった合成繊維、つまりプラスチックを原料としています。私たちが普段着ている衣料品のほとんどは、石油を基にして作られています。ペットボトルのリサイクルや、レジ袋の有料化、プラスチック製ストローの廃止などからもわかるように、プラスチックは海洋汚染や地球温暖化に大きな影響を与えており、さまざまな業界でその削減が進められています。

一見、プラスチック製品には見えない洋服も、製造や染色の過程で有害な化学物質が放出されたり、家庭で洗濯するだけでマイクロファイバーやマイクロプラスチックが海に流出しています。また、合成繊維の製造工程では、大量の化学薬品や農薬、有害物質が使用されており、これが大気汚染の原因にもなっています。アパレル業界から排出される温室効果ガスの量は、年間12億トンのCO2に相当します。

さらに、ファストファッションは安価なため、消費者は簡単に購入し、簡単に手放してしまう傾向があります。断捨離ブームの影響もあり、環境省の調査によれば、日本では一年間に一人当たり約12枚の衣服が捨てられているという結果が出ています。捨てられた衣服のほとんどは焼却されるか埋め立てられ、その量は年間で約48万トンに達します。アメリカでは、年間1150万トンが廃棄されています。

このような環境問題は、合成繊維だけでなく、天然繊維でも発生します。たとえば、綿花(コットン)の生育には大量の水と殺虫剤が必要であり、羊毛を取るための放牧も土壌や水質の汚染につながり、生物の多様性に悪影響を及ぼします。天然繊維だから環境に優しいとは限らないのです。

「簡単に買って、簡単に捨てる」という消費行動が、私たちの地球環境に悪影響を与えていることを理解する必要があります。

 

労働問題

ファストファッションをお持ちの方は、商品のタグを確認してみてください。ほとんどがアジアで製造されていることに気付くでしょう。特にバングラデシュで製造された商品が多いことがわかると思います。アジアでの製造が多い理由は、低コストで大量生産が可能だからです。

しかし、アパレル製造に従事するアジアの労働者の多くは、低賃金で働いています。中には最低賃金すら支払われず、残業代も支給されないケースも少なくありません。そのうえ、長時間労働を強いられ、児童労働や強制労働といった人権侵害も深刻な問題となっています。さらに、労働者が働く工場の安全性や衛生環境も劣悪なことが多く、事故が発生して労働災害や健康被害を受けることもあります。

発展途上国の労働者を搾取するような労働条件は、早急に改善・対処されるべきです。しかし、このような問題が報じられているにもかかわらず、ファストファッションの売上は年々増加しています。

 

アパレル業界のSDGsに対する取り組み

アパレル業界は、これまでに挙げた問題に対応するため、SDGsに基づいた取り組みを進めるブランドが増えてきています。この取り組みは、「リデュース(削減)」「リユース(再利用)」「リサイクル(再資源化)」の頭文字を取った「3Rとして知られています。以下、それぞれの取り組みについて事例とともに紹介します。

 

リデュース:削減

リデュースは、無駄な資源の消費や排出されるごみを減らす取り組みです。アパレル業界においては、服を購入する際に、似たようなアイテムをすでに持っていないか確認すること、流行に左右されず、長期間にわたって着用できるものを選ぶこと、正しい手入れ方法を知って大切に着ること、そして労働環境の改善を行うことで、環境への負担を減らしていきます。

 

リユース:再利用

リユースは、まだ使用できるのに廃棄される服を再利用する取り組みです。リサイクルショップや古着屋、フリマアプリを活用することで、服を捨てるのではなく再利用することを推進しています。また、企業も消費者と同様に、廃棄される予定だった在庫品を必要とする人に提供し、再循環させる取り組みを進めています。

 

リサイクル:再資源化

リサイクルは、不要となった服を生地として再利用し、別の製品に作り替える取り組みです。アパレル業界では、不要な衣料を他のデザインの服やバッグ、タオルなどにリサイクルする活動が行われています。また、リサイクル可能な繊維を使った製品開発も進んでおり、不要になった服はリサイクルボックスで回収されます。先に紹介したような大手ブランドでは、店舗にリサイクルボックスが設置されていることもありますが、アパレル業界全体のリサイクル率は、他の業界と比較するとまだ低いのが現状です。

 

EUで未使用繊維製品の廃棄禁止へ

ファストファッションなどでは、低価格で大量に生産されることから、未使用のまま廃棄される製品が多く存在します。この問題に対応するため、EUでは未使用の繊維製品の廃棄を禁止する措置が導入され、大企業から中規模企業へと順次適用が進められています。

この動きは、遅かれ早かれ日本にも影響を及ぼすことが予想され、繊維製品の生産量が減少する可能性があります。特に東南アジアの縫製工場では、発注が大幅に減少することが懸念されています。企業は、この変化にどのように対応するかを早急に検討する必要があります。

アパレル業界の動きとしては、東南アジアへの発注を抑え、実際の販売状況を見ながら追加の生産を行うという、新たなサプライチェーンの構築が進む可能性があります。国内の縫製工場にリードタイムの短い追加発注を行うことで、柔軟な生産体制を整えることが求められるでしょう。

また、廃棄ロスが減少することで、一定の原価上昇が容認される可能性があり、加工賃の上昇も期待できると考えられます。

 

アパレル業界が提案する新しい考え方

近年、「サステナブルファッション」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、服の生産から販売、消費に至るまでの一連のプロセスにおいて、環境や社会に配慮した取り組みを行うことを指します。例えば、環境負荷を軽減するためにオーガニックコットンを素材として使用したり、長期的な雇用を基盤とした生産体制で作られた衣類を製作することが含まれます。

また、「エシカルファッション」という、フェアトレードな衣類を選び、倫理的な消費を促す考え方や、「スローファッション」と呼ばれる、1着を長く大切に着続けるスタイルも注目を集めています。これらの新しいファッションの提案は、SDGsの目標達成に向けたアパレル業界の取り組みとして、今後さらに広がっていくことでしょう。

まとめ

このように、SDGsを基盤に、世界は地球環境の改善や人々が安全かつ幸福に生きられる社会を目指し、それぞれの課題に取り組んでいます。アパレル業界においては、環境と労働に関する深刻な問題が近年、世界的な注目を集めています。私たち消費者が低価格の商品を大量に消費することも、こうした問題の一因となっていることが指摘されています。

問題を解決するためには、企業だけに責任を押し付けるのではなく、社会全体が一体となって取り組むことが求められています。特に、新たにアパレルブランドを立ち上げようと考えている方にとっては、SDGsに理解があり、持続可能な方法で対応してくれる工場を選ぶことが重要です。

縫製屋ドットネットでは、ものづくりに携わる皆さまの幸せを守るため、信頼できる工場選びをサポートしております。ぜひ、お気軽にご相談・お問い合わせいただければと思います。

株式会社Yoshioka inc.

当社は天然素材を使用したシンプルなデザインの中で、ディテール・素材・加工方法にこだわったお取引先様が多いです。
着る人の個性を尊重したナチュラル・フェミニン・モードをミックスした、女性の体型を考慮したパターンを追及し、着易さとデザイン性に特化したナチュラルテイストとモードテイストをミックスした縫製を得意としております。

株式会社東京縫製

東京縫製

某有名アパレルハイブランドのお直しを50年一筋でやっている縫製工場です。
高度な技術力で洋服やハイブランドのスーツのお直しはもちろんの事、近年ではウェデングドレスやステージ衣装などのOEMも承っております。
3代目若社長が経営する縫製工場は熟練技術者から若手技術者へ技術の継承ができており、
安心して長くお取引きをする事ができます。
毎日、都内を自社の車で回収や納品で回っておりますので品物量や地域によっては集荷依頼、ご対応可能です。

是非一度、お問い合わせいただき、工場見学にもいらしてください。

服の品質の見分け方

服全般の品質の見分け方はTシャツと同じです

服の品質を見分けるには衿が傾むいているかどうかを見るのが一番です 。縫製するときに下が送り歯、上が押さえなので、下の生地を送り、上の生地を押すように縫うので、その時にミシンが押すのをそのままにしていると片方の衿先が下に巻き込んで、もう片方の衿先が上に跳ね上がります。何もせずに縫うとだいたいこんな傾向になるものなのですが・・・・・・。この動画のようにならないように縫うのが工場の技術です。衿が傾くのは、ミシンの構造上なってしまう現象をそのまま作ってしまうからです。技術が高ければ、そのようなミシンの構造上なってしまうことに逆らって、左右対称の衿に仕上げることができるのです。時には、押さえの抵抗を減らすためにテフロンを貼り付けたり、送り歯の手前にサンドペーパーを貼って、下の生地が送られ過ぎないようにしたりもします。

縫製される衣料品はプレス加工のように上から型抜きするように加工するのとは違い、かならず、右から左、あるいは左から右へと縫製されます。裁断も同様に生地を重ねて、右から左、あるいは左から右へと裁断されます。多くの生地を重ねることで、上と下の裁断ズレも起こります。また、先に述べたように縫製でも、ミシンの構造上、下の生地が送られ、上の生地が押されるので、必ずズレが生じます。このようなズレが大きい程、縫製の技術が低いと考えることができます。服の品質を見分ける際には、その服が左右対称になっているかを確認して、左右のズレが大きい商品の購入は避けるようにしましょう。

左右のズレがあると言う事は、設計とは違う商品になっていると言う事です。設計がどれだけ良くても、設計に忠実に作られていない商品は良い商品とは言えません。

材料品質も設計品質も良かったとしても、製造品質が悪ければ商品は台無しになります。最高級の食材と最高のレシピがあっても料理人が素人であれば、食材の良さを引き出すような料理にはなりません。材料品質が良く、設計も良くても、施工する大工が下手だと家が傾くかも知れません。材料や設計がどけだけ良くても、作り手が悪いと全てを台無しにしてしまうのです。

アクリルの板に溝を彫って、それに沿って縫製することもあります。そういう方法だと表衿と裏衿の合わせ縫いは傾きません。それでも、ステッチが下手だと傾くことがありますが傾きは僅かに抑えることが出来ます。