国内縫製工場は絶滅危惧種

アパレルの国内生産は僅か3%

国内の縫製工場のアパレル全体にに占める割合は僅か3%までに激減し、97%は海外で生産されており、店舗で日本製のアパレル商品を見つけることはほぼ不可能な状態になっています。

海外生産の加工賃が基準となって、商品の販売価格も決まるので、国内の縫製工場の工賃はさらに下がっており、受注量も不安定になっています。

絶滅危惧種

コロナ禍で店舗での販売も激減

海外生産の流れが止まらない状況で、アパレルからの発注が減っているところに、コロナ禍がさらに稼働率の低下に拍車を掛け、元々ギリギリの経営状態だったのが、さらに悪化。

飲食店などの休業補償はありますが、上流の縫製工場には何も補償は無く、稼働率の低下が経営を直撃しています。

このままの状況が続けば、この機会に廃業を決断する経営者も増えるでしょう。

コロナ禍で国内の縫製工場の廃業が続けばアパレルの国内生産比率はさらに下がり、国内の縫製工場は益々絶滅の危機に直面します。

経営者は高齢化し後継ぎもいない

アパレルは国内の縫製工場を見捨てて海外に生産拠点を移し、元々ほとんど利益の出ない体質の縫製工場は、社員に良い待遇を示すことも出来ないので、若い労働者の確保も難しく、労働人口も減っています。

このような縫製工場の経営実態を知っている現経営者の息子などは、後継ぎにはなりたがらず、経営者の高齢化に伴って廃業が続出すると思いますので、今後残る国内の縫製工場は本当に少なくなると思います。

国内の縫製工場が完全に無くなることは無いと思いますが、現状よりも減少して行くことは間違いありません。

国内縫製工場の高い技術が失われていくのはとても残念なことです

ミシン

国内の縫製工場はとても高い技術を持っており、海外生産の商品とは一線を画す品質を提供できますが、ユーザーにとっては、その高い技術に対して高いを支払う程の技術だと思われていないのでしょう。

アパレル商品はファストブランドに代表されるように低価格化が進み、国内の縫製工場では生産できない程低価格になっています。国内の縫製工場に発注出来るアパレルブランドも限られて来ており、一部の高級婦人服など本当に一部です。

政府などが今更縫製工場を国内の主要産業として復興させるような予算を付けることも無いでしょうし、予算が付いたからと言って、国内の縫製工場の国際競争力が付くとも思えません。

縫製工場は経済成長する初期段階に投資も少なく労働力も集めやすい時代の産業で、完全に成熟している国ではもうなり立たなくなっている産業です。

このまま、絶滅して高い技術力が失われてしまうのはとても残念なことではありますが、時代の趨勢としてはどうにもならないことだと思います。

縫製工場はコロナ禍で瀕死の状況

店舗には支援金があるが川上には何の保証も無い

コロナ禍で緊急事態宣言が頻発されて、休業要請などが行われ外出に自粛などが要請されています。休業要請されている飲食店や百貨店などには休業補償がありますが、そこへ商品を納品している業者には何の補償もありません。

大手アパレルも軒並み赤字決算

コロナ

百貨店などをまだ大きな販路としている大手アパレルは軒並み赤字決算で、当然生産量も激減しています。国内に残っている縫製の仕事は、加工賃が高く、流行に左右される高級婦人服などが主で、流行にあま敏感ではない量産品は海外に完全にシフトしています。

流行に左右される高級婦人服は百貨店や店舗での販売比率が高いので、コロナの影響をモロに受けています。これに伴い、国内の縫製工場の稼働率は極端に落ちていて、元々利益の出ない体質なのに、受注が激減しているので、非常に厳しい状況に晒されています。

雇用調整助成金は受けられる

アパレルからの受注減に伴い、休業を余儀なくされる社員に対しては、雇用調整助成金で給与の支払いは出来ています。しかし、補償されるのは社員の人件費だけで、その他の固定費については何の補償もありません。

工場を構えていれば、それなりに大きい金額が毎月出て行くので、高収益体質では無く、内部留保も十分に無い縫製工場にとってはとても厳しい状況です。

コロナがいつ収束するのか

ワクチンの接種も少しずつ始まりましたが、国民全体に行き渡るのにどれだけかかるのか、そして、ワクチンが行き渡った後には、コロナ以前の状態が戻るのか、おそらくコロナ前の状態に完全に戻るとは思えません。

元々フル稼働で何とか収支トントンになっていた縫製工場が市場がコロナ前には完全に戻らないとなれば、フル稼働は難しいことも考慮しないといけないでしょう。

このままの状態が続けば、倒産や廃業が加速的に進む可能性もあります。体力が残っていない縫製工場はどんどん倒れて行くでしょう。

体力が残っている縫製工場はファクトリーブランドの立ち上げを

ブランド

まだ、多少なりとも体力が残っているのなら、自社ブランドを立ち上げて、ネット販売で、自分で売上げを立てられる体質に転換しないと、先行きは非常に厳しいものになるでしょう。

ファクトリーブランドの立ち上げを行って、ネットで販売と言っても、商品をホームページに掲載しただけでは売れません。しっかりとしたキーワード選定と、キーワードに合ったコンテンツを掲載して適切な集客の施策を行わないといけません。

ファクトリーブランドを立ち上げには、WEBマーケティングの専門家に依頼して、集客の戦略を立てて着実に実行する必要があります。

残されている時間は短い

自立した縫製工場に転換するのに残された時間はあまりありません。コロナ禍で稼働率が落ちて、体力もどんどん失われていく状況で、新たなブランドを立ち上げて、軌道に乗せるまでに掛かる時間と、体力の消耗との競争になるので、のんびりと構えることは出来ません。

みんなが酷い状況なので、誰も助けてくれません。自分の身は自分で守るしかありません。誰も予想していなかった厳しい状況ではありますが、少し手でも生き残れる強い縫製工場が生まれることを望んでいます。

縫製工場を廃業するなら売却の検討を!

低収益と経営者、社員の高齢化で継続が困難

縫製工場の多くは、利益がほとんど出ず、経営者も社員も高齢化しており、経営者の後継ぎもおらず、社員も若い戦力の獲得が出来ず、高齢化の一途で、廃業を検討している経営者も多いでしょう。

倒産では無く、廃業を検討していると言うことは、資産と負債の相殺が出来るからで、廃業して、大きな負債が残る場合は、廃業も出来ず、自己破産などの法的手続きを取る必要があります。

廃業出来る場合には、会社の売却を検討しましょう

自己破産では無く、廃業を検討している場合には、企業としての縫製工場の売却を検討しましょう。会社売却は事業譲渡で全部の事業を譲渡するもので、株式会社の場合は、株式を買い取ってもらうことで売却が成立します。

売却価格の計算方法はいろんな方法があるので、税理士さんなどの専門家に相談すると良いでしょう。

売却

縫製工場を買いたい企業はある

縫製工場を経営している人にとっては、事業の将来性などの問題に直面していて、毎月の受注や資金繰りに疲れ果てていて、こんな会社を買いたい人などいる訳がないと思うかも知れませんが、急成長しているアパレル企業などは、小さくても自社工場を持ちたいと考えています。

このような急成長しているアパレルの場合、デザインと販路開拓のノウハウはあっても、商品作りのノウハウが無く、商社などを経由して海外の縫製工場に生産を委託しています。

自社でも商品の品質に対するノウハウや売れ筋商品をタイムリーに供給出来る体制を整えたいと考えていますが、ノウハウも無いのに1から縫製工場を建設して、素人を集めて縫製工場を作るなど、とてもリスクが高くて出来ません。

そこで、すでにノウハウを持っていて、廃業を検討している縫製工場を探しているケースはかなりあります。主力の生産アイテムが合えば、売却の話しは思っているよりも早く進む可能性もあります。

会社売却を行ってもしばらく経営を続ける覚悟は必要です

縫製工場を売却すると言うことは、株主が変わることなので、株主が経営者などの役員の変更を求めなければ、経営者を続ける必要があります。特に、急成長しているアパレルの場合、モノづくりのノウハウは全く無いので、会社売却と同時に経営者も変わることは難しいかも知れません。

経営者としてしばらく残り、アパレルから工場長などの役職で新たに就任する人材に、縫製工場の管理や経営のノウハウを伝授してから、引退になるのが一般的でしょう。

新たな企業の傘下に入ることで社員の待遇の改善につながることも

縫製工場を売却して、新たな企業の傘下にはいることで、社員の待遇が改善して、新たな若い社員の獲得も出来るようになるかも知れません。社員の高齢化で、存続が難しいと考えていた経営者も、新たな企業の傘下に入ることで企業イメージが向上して、若返りが図れるかも知れません。廃業してしまえば、それまで働いてくれていた社員も退職するしかありませんが、株主が変わることで会社が存続して、社員の若返りも果たせれば縫製工場としては、とても良いことです。

廃業する場合は、勤務している社員の処遇も大きな問題になります。

縫製工場売却のメリット

売却の収入が入る

株式を売却するので、売却による収入があります。売却価格は、時価純資産や営業権などで計算されますが、金額は少なくても収入にはなります。これが廃業の場合は、何も収入は得られません。経営者にとっては、何の価値も無いと考えている縫製工場でも、必要としている人にとっては価値があるのです。

不動産の処分の労力が必要無くなる

廃業すると、縫製工場の土地建物を処分しないといけません。しかし、ほとんどの縫製工場はかなり老朽化しているので、建物を再利用するような買い手はなかなか見つかりません。不動産の売却が出来ないと、固定資産税を払い続けないといけないだけでなく、最悪の場合、株主に現物配分しないといけなくなり、売却がさらに困難な悪循環に陥ることもあります。

メリット

縫製工場の売却はポータルサイトを利用しましょう

縫製工場を売却しようと思っても、買い手が見つからなければ、売却は出来ません。以前は銀行などが、M&Aの仲介をしていましたが、今は、インターネット上のM&Aのポータルサイトを利用すると、買い手が集まっているので、比較的簡単に売却の話しが進みます。

ポータルサイトでまず、売却を検討している旨を相談してみましょう。数々のM&Aを手掛けた専門家がアドバイスしてくれます。

縫製工場の人間関係を改善するには上司からの肯定的な承認が必要

人間関係の問題を抱えている縫製工場は多い

縫製工場は多くの人が集まって仕事をするので、人間関係の問題があると、協力的に仕事をすることが出来ず、品質や生産性にも影響が出るようになってしまうと、深刻な問題になることもあります。

人間関係の問題を起こす人は自己承認が出来ていない

そもそも何故人間関係の問題が起きるのかですが、人間は心の食べ物として、承認を求めています。「あなたの存在は大切です」「あなたは価値があります」と言う肯定的な承認を多く得られると心の食べ物が多く、心は肯定的な承認で満腹になって気持ちはとても安定します。

心が満たされてい、安定している人が多いと、自分の価値を認めることが出来て、他者の価値も認めることが出来るので円滑な人間関係を確立することが出来ます。

このように人は承認を求めて生きていますが、幼少期から、小さな成功体験を積み重ねて来た人は、自分で自分のことを承認出来ます。自分で自分のことを素晴らしいと思えるのです。このような人は、他人からの承認が無くても、自分を承認(自己承認)出来るので、他人と人間関係のトラフブルを起こすことはありません。

しかし、実際には、自己承認出来ている人は少なく、他人からの承認を求めています。しかし、仕事の上では、ミスを指摘されることはあっても、肯定的な承認を得られることはほとんど無く、仕事上のミスが無ければ何も言われないので、極端に言うと無視されているので、心の食べ物が無く、心は飢餓状態になります。人間は本能的に心の飢餓状態を恐れており、飢餓状態になるくらいだったら、否定的でも良いので承認を得ようとします。

心の飢餓状態とは、無視されている状態で、人間が一番恐れている状態です。人間は一年早く生まれる動物と言われています。他の哺乳類が生まれてすぐに自分の足で立ち上がり、母乳を飲むことが出来ますが、人間の赤ちゃんは、自分の力で母乳を飲むことが出来ません。なので、空腹になると泣き叫んでお母さんに欲求を伝えます。この時にもしも、お母さんに無視されたら自分は死んでしまうことを赤ちゃんは知っています。このことから人間は無視されることを本能的に恐れています。

心が飢餓状態になる位なら、毒でも良いので満腹にしようと無意識に毒を求める行動を起こします。人間関係の問題を起こして、お互いに傷つけ合うことは辛いことですが、傷つけ合うと言うことは、否定的ではありますが、相手の存在を認めていると言うことなのです。存在を認めていなければ無視されるのです。

肯定的な承認がほとんど無い縫製工場はこのような人間関係の問題が多くなります。人間関係の問題を起こす人は家族など周囲の人からも肯定的な承認を得られていないことが多いです。

承認

人間関係の問題を解決するには、上司が感謝を伝えることです

人間関係の問題を多く抱えている縫製工場は、社員に対して日頃から感謝を伝えていないことが多いです。社長や工場長の立場の人から、感謝のような承認が全く無い縫製工場では、否定的な承認を無意識に求めてしまい、品質のトラブルも頻発するようになります。

人間関係が深刻な縫製工場で、上司が感謝を伝えても、最初は白けた雰囲気になります。これは、否定的な感情で満ちている人が肯定的な承認を素直に受け取れないからです。人間関係の問題を起こして対立している状態の人の感情は、自分の価値観に合わせて他人の価値を否定する、価値観に支配されている批判的親(父親のような感情)なので、他人からの感謝を素直に受け入れることが出来ません。また、他人を批判する人の相手になる人が、それを我慢して受けている人の場合は順応の子ども(親に叱られて良い子になっている感情)なので、エネルギーが抑えられて暗い状態になっています。この状態の人も心を閉ざしているので、感謝の言葉をなかなか素直に受け入れることが出来ません。

しかし、上司が感謝の言葉を何度も何度も伝えていると、心が少しずつ溶けて行き、感謝の言葉を受け入れてくれるようになります。感謝の言葉は保護的親(母親のような感情)から出るので、何度も繰り返していると、自然な子ども(生まれながらの天真爛漫な子どもの感情)で受け取れるようになります。そうなると、会社全体が明るい素直な感情表現に溢れたエネルギーの強い活気のある職場に変化して行きます。

上司からの感謝の言葉で満ち溢れている縫製工場で働く人たちは、皆、心が肯定的な承認で満たされるので、否定的な承認を求めなくなります。否定的な承認を求めなくても良い人ばかりになると、人間関係の問題は自然に解消します。

最初は、些細なことでも良いことがあったら社員に対して感謝を伝えましょう。人は、承認を貯めておくコップを持っていて、飢餓状態を恐れて、否定的な承認を求めます。これは、肯定的な承認よりも、否定的な承認の方が簡単に手に入るからです。否定的な承認は自分から仕掛ければ簡単に手に入るのです。否定的な承認で一杯になっているコップに、感謝と言う肯定的な承認を一滴ずつ入れることによって、否定的な承認と時間を掛けて入れ替わります。

人間関係の問題を抱えている縫製工場が短期間に改善することは難しいですが、上司が辛抱強く感謝を伝え続ければ。必ず良好な人間関係の縫製工場に生まれ変わります。

縫製工場がホームページを開設する目的

縫製工場がホームページを開設する目的は、新規受注の獲得か、人材の確保

縫製工場がホームページを開設する目的は、大きく分けて2つだと思います。1つは少しでも取引条件の良い新規取引先を獲得すること。もう一つは新たな人材の獲得です。

どちらも縫製工場にとっては切実な問題で、ホームページを開設することで問題が解決出来れば、とても良いことですが、実際には、そんなに簡単なことではありません。

新規受注の獲得には「縫製工場」のキーワードで上位表示が必要です

新規受注を獲得するには、ユーザーが検索しているキーワード「縫製工場」の検索結果で上位に表示される必要があります。新規でドメインを取得して、ホームページを開設する場合は、ドメインがGoogleから評価される期間(6ヶ月~1年程度)は上位に表示されません。このGoogleから評価される期間に縫製工場としての強みや他社と差別化出来る技術や仕事への取り組み方、高品質を実現できる裏付けやコミュニケーションがスムーズに行えることなどをユーザーに分かりやすく丁寧に記載する必要があります。

検索結果で上位に表示させることは簡単なことでは無く、ほぼ毎日1ページ、2000文字程度のコンテンツを追加するくらいの気持ちが無いと上位に表示することは難しいです。2000文字もゴミみたいな内容では無く、一貫して、縫製工場のことについて記載されたコンテンツが必要です。

これだけのコンテンツを継続して掲載するには、ホームページ担当者にある程度の時間を与えないと実現しません。

ホームページ制作会社から納品されたホームページを放置しておていも、お問合せが入ることはありません。

社内で、かなりの努力が必要で、経営的にギリギリの工場が多い縫製工場では、なかなか人材を投入することが出来ないと思います。しかし、新規取引先を獲得するには、ホームページが無いと現在では、ほぼ無理な状況になっています。

ホームページに新規取引先が知りたいと思う情報をくまなく記載することで、お問合せから新規受注の獲得までの時間を大幅に短縮することが可能になります。ホームページに新規取引先が知りたいと思う情報を漏れなく記載していると、実際に面談して聞くことが僅かで済みますので、新規取引先の意志決定の大きな助けになります。

「縫製工場」のキーワードで上位に表示させることは容易ではありませんが、時間を掛けて取り組むことによって目的は達成出来ます。「縫製工場」で上位に表示するためには、タイトルに必ず「縫製工場」を含めるようにしましょう。

縫製

人材確保はSEOでは無理

人材確保はすでに求人のポータルサイトが検索結果の上位を独占しており、そこに割って入ることは不可能です。SEO(検索エンジン最適化)を行っても、ホータルサイトを打ち負かすことは絶対に出来ません。

人材確保にホームページを利用する場合は、求人ポータルサイトからのリンクやハローワークで求人票を見た人が、企業名で検索した時に検索結果に表示されて、待遇面や働き甲斐などについて詳しく記載することです。

自分が作っている商品がどんな製品に使われているのか分からない、部品の製造工場よりも、エンドユーザーが直接買い求める商品を作ることは、働き甲斐になりますし、色んなデザインの商品を作る中には、自分も好きなデザインの商品があったたりもします。

また、女性同士が働く職場の人間関係も求職者にとっては不安材料だと思います。そのような不安の無い職場に出来ているのであればそのことも記載して、安心して面接に臨めるような内容を記載するようにしましょう。

縫製工場の廃業は何故止まらない?

仕事がきつい上に給料が安いので人を募集しても集まらない

縫製工場は、勤務時間は常に動きっぱなしで、仕事は決して楽ではありません。ミシンはほとんど自動化されておらず、手を動かし続けなければいけません。機械が自動化されていれば、機械が加工している時間が待ち時間になることもあるかも知れませんが、動き続けなければいけないので、仕事がきついです。

仕事がきつくても、そのきつさに見合う給料が支払われれば良いのですが、ほぼ最低賃金ギリギリの給料なので、社員を募集しても人材の確保はほとんど無理です。特に新卒の採用はほぼ不可能なのが現状です。

さらに、業界自体に将来性があり、今は大変でも明るい未来があれば、縫製工場に就職する人もいるかも知れませんが、将来に全く明るい光が見える訳でもありませんので、人材の採用はとても難しい問題です。

人材

給料が安いのは工賃が安すぎるからです

縫製工場の給料が安いのは、アパレルさんから支払われる工賃が安すぎるからです。1秒0.5円の工賃の仕事を100%の効率で働いたとしても、0.5×22,800秒×22日稼働=316,800円。これが一か月最大の売上げです。この売上げは直接人員が稼ぐ売上げなので、間接人員(事務員や営業、生産管理)の人員が全体の20%だとすると、総人員で割った一人当たりの売上げは253,440円です。ここから製造原価である糸の代金5%を引くと、一人当たりの売上総利益が240,768円。全国の最低賃金902円×8時間×22日=158,752円。会社負担の社会保険料が約20,000円とすると、人件費は178,752円です。これには退職金やその他の福利厚生費は含みません。有給休暇を月に1日使用すると、一人当たりの売上げ総利益は229,814円となり、労働分配率は77.7%となってしまいます。中小企業庁が公開している製造業の労働分配率は72.9%です。

労働分配率が高いのが給料が高いためであれば良いのですが、給料が安く労働分配率が高いのはとても大きな問題で、最低賃金を支払って労働分配率が高いと言うのは、経営を維持して行けないと言うことです。

一人当たりの売上げ総利益222,814円から退職金や福利厚生費を含まない人件費178,752円を差し引くと44,062円です。44,062円で水道光熱費や運賃(これは製造原価に含まれる場合もあります)や車両費、減価償却費、通信費などを支払うと、赤字になるのは確実です。資金繰りが酷く、銀行から運転資金の借り入れをしていれば、金利相当の営業外費用も発生します。

経営状態が極めて悪い縫製工場の後継ぎなどいる訳がありません

従業員に十分な給料の支払いが出来て、会社としても利益を生み、長期的な存続が可能で、将来にも大きな可能性があれば、誰でも後継ぎになりたいと思うでしょう。しかし、これだけ状況が悪い縫製工場の後継ぎをしようと思う人はまずいません。この状況でも後継ぎになろうとする人がいれば、それは相当のお人よしでないと出来ないと思います。

経営者になると、社員から給料が安いことを批判され、銀行からも経営を改善することを強く言われ、株主からも経営責任を問われるような役回りを誰も引き受けようとは思いません。

廃業

経営を改善するには縫製工賃の引き上げが必須です

このような縫製工場の経営を改善するには、縫製工賃の引き上げが必須ですが、縫製工賃は、商品の販売価格から逆算されるもので、簡単に引き上げることは出来ません。

さらに工賃の算出基準は、東南アジアの低賃金の労働者を使って服を作ることを前提にしているので、国内の縫製工場が十分な工賃の支払いを受けることはほとんど望めません。

商品の販売価格を引き上げると商品の売れ行きが悪くなるので、簡単に値上げは出来ません。家電品のようにスペックによって価格が決まるような商品であれば、高品質な商品は高価格になりますが、アパレル商品の品質を明確に定義する基準が無く、ファッションは個人の好みに依存してしまうので、工賃を引き上げる可能性など全くありません。

このような状況に置かれている縫製工場の廃業はこれからもどんどん進むと思います。

日本の縫製工場の現状

利益の出ない安い工賃

日本の縫製工場は利益云々の話しの前に、最低賃金が支払えるかどうかの状況です。アバレル企業から提示される工賃は、利益を生み出すどころか減価償却さえもできないような厳しい工賃で、長期的に安定した経営を続けて行くことは困難です。

現状を辛うじて維持するので精一杯で、将来へ向けての積極的な投資や人材育成などは全く出来ない工賃しか支払われていません。

様々な改善の取り組みを行って生産しても利益はほとんど出ません。

利益

厳しい労働環境は若い労働者が定着しない

安い賃金の上に、長時間労働や休日の少ない労働環境で、しかも工場ゆえに8時間働きっ放しで、自動化された設備などはほとんど無く、機械が加工している時間を待つようなことも無く、常に体を動かし続けなければいけない厳しい労働環境なので、若い労働者の確保は出来ませんし、もしも若い労働者が確保出来ても、しばらく務めると、その厳しさから退職して行きます。

将来性の無さから後継者もいない

上記のような経営環境から若い経営者が縫製工場の経営をすることは無く、後継者のいない縫製工場がほとんどです。

若い経営者ならITやロボットやAI関係など将来性のある事業を手掛けようとするので、製造業としても最も古い業態である縫製工場の経営など考える人はいないのです。

日本の縫製工場は、経営環境が厳しく、倒産するか後継者がいないので廃業する工場がほとんどで新規に創業する縫製工場など有り得ません。

将来性

賃金を安く抑えるために技能実習生を受け入れ

アパレルから提示される安い工賃に対応するのと、若い労働者が確保出来ないことを解消するために東南アジアから技能実習生を受け入れ、経営を成り立たせています。

彼女たちはお金を稼ぐために時間外労働もいとわずとても良く働きます。しかし、この技能実習生が日本の縫製工場をさらに窮地に追い込むことになっています。

技能実習生によって技能移転が進んで海外の縫製工場の品質が向上しています

昔は、中国製の縫製品の品質はとても悪かったのですが、日本で技能実習生として、日本の縫製の品質に対応した技術を習得して人たちが母国に帰って、自国の縫製工場で働くようになって、海外の縫製工場の品質は飛躍的に改善しています。

労働集約型の縫製工場の経営を左右するのは人件費なので、人件費が安い東南アジアの縫製工場の品質が改善すれば、差別化できるのは物理的な距離や通関手続きなどでかかる発注から納品までの日数しかありません。つまり日本の縫製工場が海外と戦って勝てるのは、短納期だけなのです。

短納期を要求される商品は、芸能人が着ていたとか特殊な事情で、一時的に爆発的に商品が売れて、在庫が底を突いて、追加発注を超短納期で作るようなオーダーしかありません。

このように、日本の縫製工場が必要とされることはほとんど無く、ほぼ全てのオーダーは東南アジアの工場に発注される状態で、日本の縫製工場はほとんど必要とされないような状態になっています。

1秒0.5円の工賃では縫製工場の経営が継続できない

アパレルからの工賃では最低賃金が支払えない

私が縫製工場の経営をしていた時は、アパレルさんから工程分析表で送られてきて、工程ごとに標準時間が記載されていて、総秒数によって加工賃が決まっていました。正味時間に20%の余裕率を加えた時間が標準時間となっていて、トイレに行ったり、手待ちや相談、打ち合わせの時間を全体の20%としています。ただ、実際の現場をワークサンプリングしても余裕率はなかなか20%には収まってはおらず、標準時間の設定自体が厳しいものでした。

取引していたアパレルさんは生地やファスナー、ネームなどの資材やパターンは支給でしたので、純粋な作業工賃でした。

デザイン提案などをすることも無く、アパレルさんが企画した商品を規格書や縫製仕様書を添えて発注されるパターンです。

1秒の単価は0.5円です。生産性が100%とした場合に0.5円/秒の工賃で稼げる金額は

0.5×28,800(8時間労働の秒数)=14,400円(直接人員1人当たりの稼ぎ高)

縫製工場は縫製、裁断、仕上げの直接人員だけでは無く、現場事務や生産管理、営業、検査員、社長などの間接人員がいます。サンプル試作をする工賃も支払われないので、それらの間接人員が全体の20%だとすると

14,400×0.8=11,520円(総人員割の1人当たりの稼ぎ高)

稼いだ稼ぎ高の中から糸代や電気代や減価償却費の支払いをしないといけません。糸代は製造原価なので、糸代が5%とすると、

付加価値高は10,944円

売上高から製造原価を差し引いた金額が売上総利益(付加価値高)です。

ここから労働分配率を65%と計算したとすると、

人件費は7,114円

労働分配率は付加価値の中から人件費をどの程度の比率で支払ったかを労働分配率の標準は50%と言われています。ただ、10台以上の編み機を一人で管理している工場の場合は、一人当たりの付加価値高は高くなるので、労働分配率は低くなります。このような産業の場合、重要なのは、機械一台あたりの付加価値高です。一方、縫製工場のような労働集約型で一人で最大でも3台のミシンを使うのが最大の縫製工場のような企業の場合の労働分配率は65~70%と言われます。

人件費を時給に換算すると、

889円

これは、全国の最低賃金でも県によっては最低賃金の水準を下回ります。ただ、社会保険料の会社負担分を差し引くと、実質的に全国最低の最低賃金をも下回ってしまいます。この金額だと、ボーナスや退職金や社内の懇親会のような福利厚生費は捻出出来ません。このような事態にならないようにするために販管費を徹底的に抑えて、労働分配率を75%以上になるようにします。建物は減価償却が終わっても新築などは行わず、修繕費も徹底して抑えます。この状態だと、短期的には継続できても、長期的な継続は不可能です。

さらに、工程分析表に記載されている標準時間が達成できる条件は生産枚数が2,000枚の時点の数値で、実際に発注されるオーダーは2,000枚より少なく、確実に最低賃金を割り込みます。

縫製の仕事は生産量が増えれば習熟して、作業が早くなりますが、生産量が少ないと習熟する前に生産が終わってしまって、作業が標準時間に達しないまま生産が終了してしまうことが多いのです。

生産性を上げるための様々な努力をする

生産効率を最大限にして0.5円/秒に対応するために、各工程の縫製仕様や品質基準、注意点などを記載して工程ごとに掲示したり、工程毎の時間測定を行って、ラインバランスを取って作業者それぞれの持ち時間を均一にして、スムーズな流れを作るようにしたり、時間が多くかかっている工程の作業指導を行ったりして、標準時間よりも早く生産できるように改善を重ねます。

このような改善の努力を行っても、経営を維持するので精一杯で、全く余裕の無い状態が当たり前でした。

年間安定稼働のために様々なアイテムを生産する

縫製工場で生産するアイテムは季節によって変わります。一つのアイテムしか生産しない工場だと繁忙期と閑散期の差が大きくなって、100%稼働してもギリギリの工賃なのに、稼働率が下がると経営が全く成り立たなくなってしまいます。そのため、私が縫製工場を経営していた頃は、500秒余りのTシャツなどのカットソーから5000秒程度の薄い中綿の入るコートまで生産していました。ニットも布帛も関係なく縫いました。

このような様々なアイテムへの対応はやりたくてやったわけでは無く、年間安定稼働するためにやむなく行ったことです。

工賃は益々厳しくなっているものと思います

縫製の仕事は人件費の安い東南アジアで生産するのが当たり前になっていて、海外の工賃が基準になってしまっていて、国内の縫製工場を取り巻く環境は悪化する一途だと思います。

コロナ禍で、サプライチェーンの見直しの動きもありますが、国内の縫製工場は疲弊し切っており、社員の時給も安く、工場の規模を拡大したり、新たに縫製工場の経営に乗り出すような人はいないと思いますので、国内に縫製の発注が戻ることは無いでしょうし、工賃が上がるような環境でも無いと思います。

厚生労働省が最低賃金を決めるのであれば、最低秒単価や最低分単価を決めて欲しいと思います。

参考までに建設業の人工代を記載します

・普通作業員21,100円

・特殊作業員24,200円

・軽作業員15,100円

・とび工27,000円

・石工27,300円

・ブロック工25,300円

・電工25,500円

・鉄筋工27,200円

・鉄骨工25,400円

・塗装工27,900円

・溶接工29,900円

出典は、建設業界の人工代とはどのような費用のことを指している?から転載です。公共工事の積算の時に使用する単価だそうです。縫製工場の秒単価が0.5円だと、直接人員の日当は14,400円で、軽作業員の一日の稼ぎ高にもならない。しかも縫製工場の場合、標準時間に到達しない作業をしてしまうと、実質の秒単価は0.5円を下回ってしまうのです。また、オーダーが小ロットになると標準時間には絶対に到達しません。縫製工場で服を縫う仕事は建設業界の軽作業よりも低い価値の仕事なのでしょうか?

服を縫い上げる作業者の技術は特殊技能であり、ましてや日本の細やかな品質管理は建設業の軽作業よりも高い技能だと思います。

0.5円/秒の一日当たりの稼ぎ高、14,400円は発注ロットが2000枚以上で最もコンディションが良い時の金額で、ほとんどの場合は、発注ロットが小ロットで、この金額を下回ってしまうのです。

積算根拠が明確なだけマシかも

0.5円/秒の単価はかなり厳しい経営を押し付ける工賃なのですが、この単価を提示してきたアパレルさんは、自社工場を持っていて、膨大なデータを蓄積して、工程分析表と標準時間を提示して、その上で秒単価を設定しているので、積算根拠が明確なので、まだマシかも知れません。縫製工場にここまでの情報を公開するアパレルさんは少ないものと思います。

このアパレルさんでは、ロット係数と言う数値も出していて、2000枚のロットで標準時間通りの生産が出来るので、1。記憶は定かではありませんが、1枚の場合は23倍とか、4000枚で0.8倍など、発注ロットによってどの程度の時間の割り増しが必要かの係数も細かく出ていました。

良く聞く話しでは、売価が先に決まってそこから逆算して、工賃はこれだけしか払えないと言って来るところもあるようで、縫製工場にしたらデタラメな工賃を提示して来るところもあって、工賃の根拠など何も無く、縫製工場が継続出来ようが出来まいが全く関係なく、自分の会社さえ良ければ良いと言う態度のアパレル企業がとても多いことも問題です。

私が縫製工場を経営していた時よりも工賃の相場は下がっていると思いますので、売上高を計算するのもイヤになる程厳しくなっていると想像します。

このような縫製工賃の実態からすると縫製工場を続けて行くのはもう限界に来ていると思います。

海外の縫製工場

ファッションに対する意識は個人差が大きい

ファッションに対する意識は個人差がとても大きく、自動車や家電品のような性能を客観的に示すデータは無く、個人の嗜好によるものだけで良し悪しが判断されます。

ある人は、極端に品質が悪く無ければ何でも良いと思う人もいれば、最先端のファッションをいち早く手に入れたいと思っている人もいます。

しかし、ファッション業界はバーゲンが当たり前で、定価で商品を買った人はバカを見ます。このようなユーザーに対して誠意の無い商売はすでにユーザーから見透かされていて、バーゲンを待って商品を買う人がほとんどです。

アパレルの価格政策はバーゲンを前提としたものにならざるを得ず、どの業態にもほとんど利益が出ないビジネスモデルになってしまっています。

仕事をお願いにアパレルさんに営業に行くと「中国価格ならいくらでも仕事はあるよ」と言われてしまいます。

しかし、アパレル企業とすれば、商品を売ってくれる人が一番大切で、商品が売れないことにはビジネスは成り立たず、販路を残すことが最優先になっているのが、縫製工場を大切にしない理由です。

そして、縫製工場のことは優先順位がとても低く、世界のどこからでも安く商品を調達することが出来ると考えているので、日本の縫製工場が継続して経営を続けることが出来るような工賃は提示されないのです。

規模の小さい縫製工場はネット受注のOEM。規模の大きい縫製工場は自社ブランド

縫製工場の規模によって受注戦略は違う

どこの縫製工場も厳しい状況が続いていて、なかなか出口が見えない状況になっています。そんな中でも生き残りをかける場合、規模によって取るべき戦略が違って来ます。

規模の小さい縫製工場は、ネットでユーザーから直接受注するOEM

規模の小さい縫製工場は、規模の大きい縫製工場が受注しない小ロットのOEM受注を行うのが適しています。規模の小さい縫製工場は自社ブランドを立ち上げる程のマンパワーも無いことや、大量の在庫を抱える資金的な余裕も無いので、自社ブランドを立ち上げても、ネットである程度の販売が出来るようになるまで、ホームページにコンテンツの追加を続けたり、SEOの知識を得るための時間や労力を費やすことは出来ません。

アパレルブランドを立ち上げたい人のオーダーを受けることは、とても手間がかかり時間もかかるもので、十分にコストに見合う受注はそんなに多く無いかもしれません。

とても多くの手間がかかるネット受注ですが、手間を掛けて納品した商品がお客様の手元に届いて、その喜びがメールで届いたりすると、小さい縫製工場では、その喜びを共有することが出来ます。

その喜びがモチベーションになって、手間のかかる受注でも頑張って受け続けることが可能になります。

そんな手間のかかるネットのOEM受注の中から、販売が好調なブランドが出て来ると、縫製工場の稼働も安定します。国内でアパレルブランドを立ち上げたい人はいきなり海外生産することは出来ないので、このような仕事は絶対に無くなりません。

効率的にネット受注する仕組みを作って、得意分野の商品を受注して、ユーザーと直接取引することで、お客様の声がストレートに届くことが大きな喜びになるはずです。

インターネット

規模の大きい縫製工場がネットでOEM受注をすると社内から批判が起こります

ある程度規模が大きい縫製工場の場合、大手アパレルから2~3ヶ月先までの受注が決まっています。極限まで生産効率を上げるように現場を管理している工場で、ネットのOEM受注をしてしまうと、生産に至るまでの大きな手間の割に生産量が少ないので、生産現場にとっては迷惑な受注でしかありません。

そして、納品先のお客様から感謝のメールが届いても、規模の大きい縫製工場では、その喜びを共有することが出来ないので、ネットでアパレルブランド立ち上げの受注を受けることに喜びも使命感も感じられないのです。

そうすると、ネット受注の担当者は、現場にとっては迷惑な受注を取るためにとても効率の悪いやり取りをしているとしか思ってもらえず、生産現場から批判を受けるようになります。

このような状態になってしまうと、ネット受注に労力を注ぐことに社内の理解が得られず、生産に対しても協力的にはならず、絶対に成功しません。

高齢化して役職者が余る大規模な縫製工場は新規事業をするしか無い

規模の大きい縫製工場でも、新卒者など若い人材の確保は難しく、社内の高齢化が進んでいて、役職者がどんどん増えて、頭でっかちになって来ています。このような余って来る役職者に自社ブランドの立ち上げを任せるのが良い方法です。

規模の大きい縫製工場はまだ、生地の在庫を抱える余力も、ホームページにコンテンツを掲載するための専任の担当者を置く余裕もあります。

ネット集客の勉強に時間を使うことも可能なので、専門家にも相談して、ブランド認知を高めて行けば商品も売れるようになります。商品は出来るだけ閑散期に生産するようにすれば、現場にとっても良い仕事になります。

社員に対してもOEMの縫製工場からアパレル企業に転換すると発表すれば、モチベーションにも繋がりますし、社員も協力してくれます。

縫製工場の規模によって取るべき戦略は大きく違いますので、道を誤らないようにしましょう。

下請け縫製工場の自立を目指して企業間連携

アパレルブランド立ち上げ成功の鍵は、とにかく大量発注しないことです

どれだけ売れるか分からない商品を縫製工場に大量発注してしまうと、初回発注分でビジネスが終了してしまう可能性が高くなります。

■アパレルブランドを立ち上げたい■オリジナルデザインのTシャツを作りたい■犬の服を作り販売したい■オリジナル水着が欲しい■よそにはないウエアを探している■素材と型紙はあるのだけれど誰に頼めば・・・・・・。

アパレルブランドを立ち上げたい側は、確実に売れるかどうか分からない商品の発注はできるだけ抑えたい。一方、受注を受ける縫製工場の立場は、小ロットになればなるほど、生産が習熟しないので、生産効率が極端に落ちてしまいます。そのような生産効率が落ちてコストが上昇する分をそのままアパレルさんに請求できないのが悩みです。

縫製工場の生産コストは規模の経済性が適用されて、生産量が増えればコストは二次曲線で低下します。

アパレルブランドを立ち上げる場合も出来る限り発注量を抑えようとすると、生産コストは上昇します。小ロットでコストが上昇するのは、避けられないことなので、コストが高くなっても発注ロットを増やさないことが重要です。

そして、最小限に抑えた発注を確実に売り切ることがとても大切なことです。どれだけ安く作っても売れ残って不良在庫になれば、それは絶対に売上げになりません。売れ残った商品を叩き売れば、これから育てようとしていたブランド価値が毀損されて、回復ははとても難しくなります。

不良在庫を叩き売ればブランド価値は地に落ちます

不良在庫を叩き売れば、ブランドを立ち上げるために商標登録やネームタグの作成やホームページのドメインの取得なども全て無駄になってしまいます。

初回発注はコストが高く、利益がほとんど出なくても、確実に売り切って、次につなげることです。初回発注である程度商品を売る自信が付いたら、次回発注で少し発注量を増やしてコストを抑えることです。加工のコストは生産量が増えると、ある程度の生産量になるまでは、急激に下がって行きます。初回発注では、ほとんど利益が無かった商品でも、二回目、三回目となるにつれて利益が出るようになります。

ブランドを育てる

初回オーダーで大ヒットするような商品はほとんどありません。どんなブランドも初回発注でユーザーの動向を見極めて、追加発注、追加発注で、人気を得、リピートや口コミに繋げて売り上げの向上へと繋がって行くのです。

ブランドが育って、ユーザーに認知されるまでには、数年必要です。初回発注の売れ行きが予想を下回っても、何が悪かったのか、何が良かったのかをしっかりと分析して、次の発注で修正をしながら、PDCAの管理サイクルを回して少しずつ売れるブランドとして育てて行く気持ちが重要です。

縫製屋ドットネットのご利用に際しての手数料などは発生しません

こんな小ロットの発注は、縫製屋ドットネットの参加工場をご利用ください。1品からのオーダーメイド生産、小ロット生産、など登録縫製工場が皆様のご要望にできる限りお応えします。まずはご要望をお寄せください。

アパレルブランド立ち上げの成功の鍵は、売れるかどうか分からない初回発注をできるだけ少なくして、次回、次回と発注サイクルが回るようにすることです。

発注案件の登録はこちらから

※登録工場は「縫製技術」「加工技術」に自信のあるところばかりです。

発注案件をご登録いただく場合のお願い

*商品の内容がわかる画像やイラストなどがあれば、是非お見せください。お問い合わせの内容はできるだけ詳細にお願いいたします。せっかくお問い合わせいただいても、内容が把握できず、ご返事できない案件もございますので、ご了承ください。

ポロシャツのイメージ

ブランド立ち上げとは

●縫製工場のバーチャル企業団地
国内の縫製工場は優れた技術を持っていても、販路がないために苦しい経営状態に陥っています。
優れた技術を持った縫製工場が集まって、大手アパレルや東南アジアの縫製工場が対応しないような小ロットの生産や、東南アジアの工場と比較して絶対的に優位に立てる短納期に対応し、エンドユーザーに近いところへ、直接販売することで生き残りを図ろうとするものです。

縫製工場の国内事業所数は1985年の66,174事業所から2013年には18,352事業所にまで減っています。このままでは、国内の高い技術を持っている縫製工場は無くなってしまいます。

縫製工場が集まってブランド立ち上げを応援する概要

小ロットのアパレルブランド立ち上げのサポートいたします
小売店の小ロットのプライベートブランドの作成や個人の方の新規のブランド立ち上げも承ります。デザイン画だけしか無い、型紙も生地も無いと言う方も大丈夫です。遠慮なくお問い合わせ下さい。
発注案件登録ページからお問い合わせいただければ、作成可能な工場が返信いたします。

一流のアパレルブランドも最初は一枚から!

どんなに優れた企画力やデザイン力があっても、小さなショップや個人には、初回発注が200枚となるとリスクが大きすぎて、簡単にはチャレンジできません。アパレルブランド立ち上げを成功させるには、初回発注を極力少なくして、初回生産分を完全に売り切ることが大切だと考えています。初回発注の原価が高くなっても、完全に売り切れば、次の発注で少し発注量を増やしても大丈夫でしょう。そうやって少しずつ発注量を増やして、原価も下げて行けば良いのです。ですから、初回発注は絶対に売り切る自信がある数量だけにしましょう。希望的な発注量だと売れ残った時のロスはとても大きくなって、次回以降の発注が出来なくなります。

私たちは、小さなお店や個人が小ロットでアパレルブランドの立ち上げにどんどんチャレンジできる風土を作ることが、国内の縫製工場の仕事を増やすことになると考えています。
ブランドが育って発注量が多くなれば、さらに効率を求めて生産拠点が海外へ移ることは、避けられないことで、量だけを求める縫製工場の生き残りが厳しくなって行くのは当然の流れだと思います。
量と効率を求められる東南アジアの縫製工場と、一方で国内の縫製工場には、小ロット、短納期、高品質や高品位を求められるようになれば、双方の縫製工場の住み分けは十分可能だと考えています。
将来、資材調達も含めた連携ができるようになれば、海外生産とは違った国内ならではの強い生産の仕組みが作れるのではないかと考えます。

国内で短納期の対応をすると言う事は、大量の在庫を抱えないと言う事です。これは、売れ残りのバーゲンや最悪廃棄する商品を極力少なくする取り組みでもあります。現在の地球温暖化の問題などから、価格よりも地球環境に優しい商品を購入しようとする、グリーンコンシューマと言われる人たちも出てきています。このような地球環境に対する意識の高い人たちにも受け入れてもらえるような、廃棄にならない商品を作ることも国内の縫製工場の使命だと考えています。

縫製工場がブランド立ち上げ支援

●トレーナー●Tシャツ●ポロシャツ●エプロン●よさこいの衣装●イベントコンパニオンの衣装
●水着●犬の服●アウトドアウエア●ワッペン(チームワッペン・イベント用・企業向け・土産用)●記念品(ペナント額・名入れタオル・腕章)●刺繍直接加工(ポロシャツ・トレーナー・ジャンパー・ユニフォーム)●ウェアへのプリント全般●ツナギ●ウインドブレーカー●ジャンパー●ワークウェア●ニット●マフラー●介護用パジャマ●スラックス●婦人服
参加工場は今後も増えていきます。制作をお受けできる製品の分野は、どんどん広がっています。

縫製工場の皆さんへ

●「縫製技術」・「加工技術」、に自信がある。
●縫製工場内の残反を有効に利用したい。
●下請け体質から脱却したい。
●受注の機会を増やしたい。
●クライアントと「フェイス・トゥ・フェイス」で対応したい。
●顧客の潜在ニーズを把握したい
とお考えの経営者の皆様へ
私たちは
これらの問題解決のための「共同受注サイト」です。
是非ご参加ください。